「負債の返済は求めない」 チェルシーオーナー、クラブ売却の決断を表明 「サッカーとクラブへの純粋な情熱のため」

チェルシーのオーナー、ロマン・アブラモビッチ氏【写真:AP】
チェルシーのオーナー、ロマン・アブラモビッチ氏【写真:AP】

3月2日にクラブ公式サイトで声明を掲載

 イングランド1部チェルシーのロシア人オーナー、ロマン・アブラモビッチ氏が3月2日にクラブを通じて声明を発し、クラブ売却の決断を明かした。そして、「負債の返済を求めない」と明言したことにより、そのハードルは大きく下がった。

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 アブラモビッチ氏は、ウクライナ侵攻を決断したロシアのウラジミール・プーチン大統領に近い存在としても知られる。石油関連事業で財を成した富豪で、チェルシーが欧州トップレベルの資金力を持つクラブへと変貌させた人物だ。しかし、英メディアでは現在の情勢を受け、滞在に必要なビザの発給拒否を受けたとされたうえに、今後に経済制裁の一環として資産凍結などの処分が行われる可能性もあると報じられていた。

 その状況にアブラモビッチ氏は、「ここ数日、メディアで報道された私のチェルシーFCの所有権に関連する憶測に対処したい」として、クラブ売却に関する決断を声明として発している。

「現在の状況において、私はクラブ、ファン、従業員、そしてクラブのスポンサーやパートナーにとって最善の利益であると考え、クラブを売却するという決断を下した。クラブの売却は急ぐことなく、正当な手続きを踏んで行われる。負債の返済を求めることはない。これは私にとってビジネスでもお金でもなく、サッカーとクラブへの純粋な情熱のためだからだ」

 実際に、スイス人の富豪ハンスユルグ・ビース氏らにクラブ売却の打診を行っていると報道があったなかで、アブラモビッチ氏は「買収にはチェルシーのアブラモビッチ氏に対する20億ポンド(約3000億円)の負債を肩代わりする必要がある」としていた。しかし、アブラモビッチ氏の宣言により、そのハードルは大きく下がった。

 また、アブラモビッチ氏は「売却の純利益をすべて寄付するための慈善財団を設立するように指示した。この財団は、ウクライナでの戦争におけるすべての犠牲者のため。これには、被害者の急を要する重要な資金の提供や、復興のための長期的な支援が含まれる」とした。

 サッカー界では、ロシア代表やロシア国内のクラブが国際サッカー連盟(FIFA)や欧州サッカー連盟(UEFA)の主催試合から除外されているが、アブラモビッチ氏も表舞台から姿を消すことになるようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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