ローマGKが古巣ユベントスに掛かる八百長疑惑に言及 「残念ながら、イタリアでは権力があるものが、常に正しい」

審判を惑わす圧力

 ローマの元イタリア代表GKモルガン・デ・サンクティスは、現在イタリアで問題化している古巣ユベントスの八百長疑惑ついて言及した。イタリア地元紙「ガゼッタ・デロ・スポルト」のインタビューに答え、長年にわたる審判対策の成果と説明した。
 5日のユベントス対ローマ戦という首位攻防戦は、ユベントスが3-2で勝利を飾った。だが、この試合は後味の悪さだけを残した。両軍退場者3人、PKは3度、警告7枚も飛び出す大荒れの試合となった。さらに、ローマ側に不利となるPK判定や、決勝点にはオフサイド疑惑も出ている。
 ローマのFWフランチェスコ・トッティは「ユーベ戦では何かが起こる。彼らが存在する限り、われわれは2位になる。良くても悪くても結局彼らが勝つ。ユーベは別のリーグにすべきだ」と激高した。
 いま、ジャンルカ・ロッキ主審の判定に、疑惑の視線が向けられている。
 1997年から99年にユベントスに所属したデ・サンクティスは、古巣の手法についてこう口を開いている。
「何が何でも勝つことが重要。どういうやり方かは重要ではない。残念ながら、イタリアでは権力があるものが、常に正しい。すべて許されてしまう」
 ユベントスの過剰なまでの勝利至上主義は、主審の判断をいとも簡単に操作してしまうという。「審判が(判定に)迷うと、4、5人の選手がすぐに抗議する。すべて研究していることだ」と語り、主審を取り囲むような激しいアプローチをして審判の心を惑わす。それも研究の成果だというのだ。
 ユベントスには、カルチョポーリと呼ばれる大規模な八百長事件の主犯格としてセリエB降格などのペナルティーを受けた過去がある。近年は、かつての勢いを取り戻し、セリエA3連覇を成し遂げた。だが、欧州のカップ戦ではイタリア国内で見せる無敵の強さを披露することはできていない。
 セリエAは、カルチョポーリが明るみに出ると、それを契機に一時期のタレント流出に歯止めがかからなくなった。欧州内での競争力の急速な低下という問題もあるが、ユベントスの内弁慶ぶりには常に疑惑の目が注がれている。デ・サンクティスは、「イタリアで獲得したタイトルと、ヨーロッパで獲得したものを比較すれば、過度に不釣り合いなことを考えさせられる」と口にする。
 ただし、ローマが白と黒のユニホームに畏怖の念を抱いていないという。
「でもスクデットは一番強いチームにいくもの。トリノでは、僕たちがより優秀だと見せた。スクデットはわれわれのものだと分かっている」
 疑惑の判定に泣いたが、首位攻防戦で自力を見せたローマの守護神は、自分たちこそ、スクデットにふさわしいと信じていた。

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