2022年「日本サッカー界大展望」 W杯イヤーの“4大注目ポイント”を先取り解説
【注目ポイント1】日本代表、山場は3月に行われるアウェーのオーストラリア戦
今年はワールドカップ(W杯)イヤー。振り返れば2018年のロシアW杯からあっという間な気もするが、22年11月末にカタールW杯が開幕ということで、そこが最大のイベントになることは間違いないが、日本代表を含めて注目するべきテーマを展望する。
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【注目ポイント1】
「日本代表、アジア最終予選の“ラスト4”」
ここを突破しないことには何も始まらないし、踏み外せばすべてを失ってしまう。最終予選は初戦ホームでオマーンに0-1で敗れ、3試合目でサウジアラビアにも敗れて窮地に追い込まれた。しかし、何とかオーストラリアに2-1で勝利すると、11月シリーズでベトナム(1-0)、オマーン(1-0)に連勝して2位に浮上した。
残すは4試合。1月27日の中国戦、2月1日のサウジアラビア戦と続くホーム2連戦に加え、唯一のアウェーである3月24日のオーストラリア戦を山場として、最後は同29日のホーム・ベトナム戦になる。気を付けたいのは国内組がオフ明け、欧州組も冬休み明けの選手がいるなど、コンディショニングが難しくなる中国戦だ。
国内組は1月21日のウズベキスタン戦で体と頭を起こす形になるなか、セルティックに今冬移籍した前田大然と旗手怜央に代わり、清水エスパルスのMF松岡大起とMF鈴木唯人が追加招集されている。現在5位の中国代表はリー・ティエ監督の更迭により武漢を率いていたリー・シャオポン氏の新監督就任が決まっているが、プレーオフを含むわずかな望みをつなぐために、なりふり構わない戦術を取ってくる可能性もある。
日本代表は長距離移動や準備期間の問題もあり、シリーズの1試合目で苦戦する傾向が強い。サウジアラビア戦も楽な試合になるはずはないが、その前に躓いて再び大ピンチに陥らないようにしたい。いずれにしても山場は3月に行われるアウェーのオーストラリア戦になる。
万が一、3位でプレーオフに回ることになれば、A組の3位と戦い、勝者が南米5位との大陸間プレーオフにW杯のラストチケットを懸けて激突する。それはそれで逆に盛り上がるかもしれないが、W杯に出られないリスクというのは大きすぎるので、今のところは考えずに2位以内での突破に期待したい。
そこから本大会への時間は限られるが、7月に予定される東アジアE-1選手権のほかに、5月30日から6月14日、9月19日~27日に設けられている“インターナショナルウィンドウ”でどのようなマッチメイクができるのか。そして今までより準備が短いとされる直前キャンプも気になるが、まずは最終予選の突破が先決だ。
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。