大津が初のベスト4進出、名門・前橋育英相手に「ギリギリ守り切れた」要因は?

ベスト4進出の大津【写真:Getty Images】
ベスト4進出の大津【写真:Getty Images】

相手にボールを持たれる展開も、プレミアリーグWESTでの経験値活かす

 第100回全国高校サッカー選手権は1月4日に準々決勝が行われ、大津(熊本)が前橋育英(群馬)を1-0で下して初のベスト4進出を果たした。相手にボールを持たれる展開だったが、大津を支えたのはそうした試合への経験と自信だった。

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 大津はここまで東福岡(福岡)、佐賀東(佐賀)と九州勢対決を連勝しての勝ち上がり。4大会前に優勝経験を持ち、数々のJリーガーも輩出している名門の前橋育英は、今回のチームからもDF岡本一真がザスパクサツ群馬、MF笠柳翼がV・ファーレン長崎への加入が内定している強豪で、ポゼッションの上手さがあるチームだ。

 その前橋育英を相手に大津は前半11分に先制。ワンツーで抜け出したFW一村聖連が「後ろから『打て!』という声も聞こえた」というなかで思い切って右足を振り抜いてゴール。貴重な先制点になった。

 しかし、それは前橋育英に押し込まれる時間のスタートも意味した。大津の山城朋大監督が「前橋育英さんの素晴らしいサッカーに敬意を表したい。今回は粘り強く戦えたのは良かったけれども、相手チームのほうが素晴らしいサッカーをしていた」と話したほどで、かなりのボール保持率を相手に許した。それも「もう少し侵入されたくない部分を隠しながらの予定だった。相手の個人技術と戦術が素晴らしく、入れられたくない場所にボールを何度も入れられる状態だった」という形で、かなり苦しんだ。

 それでも、大津の守備は崩れなかった。そこには、高円宮杯プレミアリーグWESTで戦うなかで、強豪チームを相手に戦ってきた経験と戦術があるという。山城監督は「プレミアリーグでの経験から、ボールを持つチームには5-4-1で守れると。粘り強い守備を継続できたのがギリギリ守り切れた要因だと思う」と話し、残り15分で5バックを基本に、状況によっては6バックになることを辞さずに後ろのスペースを埋めた守備が功を奏した。

 さらには、山城監督が「押し込まれて何度も難しい場面があったが、彼の勇気を出したハイボールへの飛び出しやシュートストップが無ければ、何点入っていたか分からない」と話したGK佐藤瑠星の存在感も抜群だった。

 大津にとっては初、熊本県勢としても昭和29年度(1954年)、第33回大会の熊本工以来2回目となる準決勝の舞台では、静岡学園(静岡)と関東第一(東京B)の勝者と対戦する。いずれも攻撃力のある相手だが、この日の殊勲のゴールを決めた一村は「まずは守備から入ってのカウンターが武器。そういうものを狙っていきたい」と話し、耐えながらも鋭い武器を持つチームの戦いを発揮するつもりだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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