“タレント軍団”静岡学園の強みは守備にもあり 3試合で無失点…“精神的支柱”は2年前の日本一を知るGK【高校サッカー秘話】

静岡学園GK生嶋健太郎(中央)を中心とした守備も注目【写真提供:オフィシャルサポート】
静岡学園GK生嶋健太郎(中央)を中心とした守備も注目【写真提供:オフィシャルサポート】

攻撃力もさることながら、GK生嶋を中心とした守備のまとまりも快進撃の要因に

 静岡学園が宮崎日大を8-0で下し、準々決勝へ進出した。19年度大会以来の全国制覇を狙うチームには、MF古川陽介(3年/ジュビロ磐田内定)、MF川谷凪(3年/清水エスパルス内定)、MF玄理吾(3年/徳島ヴォルティス内定)、DF伊東進之輔(3年/ギラヴァンツ北九州内定)のプロ内定4選手に加え、ドリブラーのMF高橋隆大(2年)、FW松永颯汰(3年)、MF小泉龍之介(3年)と攻撃陣にタレントを揃える。

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 そうした強みを存分に活かしながら、今大会ではすでに3試合で14得点をマーク。こうなると、攻撃面ばかりが注目されてしまっても致し方ないだろう。しかし、今年の静岡学園は守備が非常にまとまっており、実際ここまでの3試合でいまだ無失点であるのも見逃せない。

 その理由は最後尾にチームの精神的支柱にもなっているGK生嶋健太郎(3年)がいるからだ。180センチと大型ではないが、姿勢が非常に良く、最後尾から常にピッチ全体を見渡している。足もとの技術も今大会のGKの中でもトップクラスと言え、インフロントとアウトサイドを巧みに使い分けながら、相手がプレスに来ても動じることなくファーストタッチでいなして、正確なパスを味方へ供給する。

 生嶋がいるからこそ、最終ラインは常に高い位置を取ることができるし、GKにボールを預けた時に味方も彼を信頼してビルドアップのポジションを取る。さらにコーチングの質も高く、攻撃の時間の時ほど大きな声を上げて最終ラインをコントロールし、カウンターに対するリスクヘッジを怠らない。

 宮崎日大戦では大量リードする展開ではあったが、無失点で終わるのは意外と難しい。前へ、前へとなるとカウンターのリスクが増え、相手も1点でも返そうという執念を見せてくる。それを理解している生嶋はどんなにリードが広がろうとも、守備のポジションが甘くなる度に厳しい声を出し続けた。

 2-0で迎えた前半31分、この試合の前半で唯一、宮崎日大がゴールに迫るシーンがあった。右からのクロスが最終ラインとGKの間を通り、相手FWが一枚飛び込んできたが、生嶋がペナルティーエリアギリギリまで判断良く飛び出して身を投げ出してガッチリとキャッチ。かなり難易度の高いプレーをいとも簡単にこなした。

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