初対戦で乱闘寸前「やり合った」 元日本代表DFが明かす歴代最多得点FW大久保嘉人の“怖さ”と“優しさ”
栗原勇蔵氏が今季限りで引退する大久保嘉人との思い出を振り返る
セレッソ大阪の元日本代表FW大久保嘉人は、今季限りで20年間のプロ生活にピリオドを打つ。自らも認める「やんちゃ」なプレースタイルで、J1歴代最多の191ゴールを積み上げたストライカーの凄みと人柄を、リーグ戦で何度も対峙した元日本代表DF栗原勇蔵氏が振り返る。(取材・構成=Football ZONE web編集部)
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栗原氏が1歳年上の大久保とプロの世界で初めて対戦したのは、Jリーグ2年目(大久保は3年目)の2003年。10月26日に行われたJ1リーグ第2ステージ第11節の横浜F・マリノス対セレッソ大阪戦(2-2)でともに先発出場した。前半27分に大久保が先制ゴールを決めたゲームは、両チームで計11枚のイエローカードが飛び交う“乱戦”となったなか、栗原氏も大久保と激しく火花を散らしたという。
「嘉人さんは1学年上で、Jリーグ入りした時からスター選手。高校の全日本ユースで国見とは対戦していますけど、特に面識があったわけでもないので、お互いにやんちゃで(笑)、やり合った記憶があります。乱闘みたいな感じになって、言い合いもしました。自分は実績も何もないただの若手でしたけど、嘉人さんはバリバリの主力。僕としても、絶対負けたくないし、ナメられたくないという気持ちがあって、潰しにいきました」
大久保がJ1で積み上げたゴール数「191」は歴代最多。11月の引退会見で「ゴールの極意」を問われた際には「自分はもともとストライカーではなく中盤の選手。逆算をしながら、常にプレーをしていました。FWのところから後ろに下がって行ったりしましたし、DFが付いてくれば空いたスペースを他の選手が使ったりすれば得点のチャンスが増えると思ったり、パスを出す、センタリングを出す選手の位置、ここにボールを置いたらこっちにしか来ないと思った時は、どう相手のことを動かすべきか考えることが多かったです」と明かしていた。
では、実際に対峙していたDFにはどのように映っていたのか。栗原氏は、「ディフェンスとしては嫌な相手で守りづらかった」と振り返る。