90年W杯優勝メンバーのブレーメ氏が破産寸前の窮地 教え子がトイレ清掃業として社会復帰を提案

英雄からの転落人生

 元西ドイツ代表DFで1990年イタリアワールドカップ(W杯)優勝メンバーでもあるアンドレアス・ブレーメ氏が破産寸前となり、かつての教え子からトイレ清掃業としての社会復帰を提案されていることが明らかになった。
 イタリア地元紙「コリエレ・デロ・スポルト」に、当時西ドイツ代表監督を務め、現在バイエルン・ミュンヘン名誉会長を務めるフランツ・ベッケンバウワー氏が「ブレーメを現状から抜け出すために、手を差し伸べる責任がわれわれには存在する」と呼びかけるほど、現役時代にバイエルンやインテルで活躍した伝説の左サイドバックは窮地に陥っているという。
 ブレーメ氏は20万ユーロ(2740万円)の借金を抱え、破産寸前の状況に陥っている。かつての師匠である“皇帝”の呼びかけに応じたのは、ブレーメ氏が2004-05シーズンにドイツ2部SpVggウンターハヒンクの監督として指導した教え子、オリバー・ストラウベ氏だった。ストラウベ氏はこう語っている。
「われわれの会社はアンドレアスをトイレ清掃ビジネスで仕事を提供する準備がある。正しい仕事、そして、実際の生活で何が重要なのかを彼は学ぶことができると思う。彼のイメージも回復できると思う。これは大きな助けになるのではないか」
 ブレーメ氏は05-06シーズンにシュツットガルトでイタリア人指揮官ジョバンニ・トラパットーニ監督の下でアシスタントコーチを務めて以来、サッカーの現場から離れている。昨年からブレーメ家の財政状況は、悪化していたという。
 ドイツではサッカー選手が引退後のセカンドキャリアでつまずくことが多く社会問題の1つにもなっている。90年W杯決勝アルゼンチン戦の後半40分に母国の優勝を決めるPKを決めた英雄は、トイレ清掃という地道な仕事から社会復帰を果たすのか。サッカー界が注目している。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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