「日本文化に馴染まない…」 セルジオ越後氏が語る監督解任「クビ宣告の裏側」

元日本代表監督ファルカン氏(左)とハリルホジッチ氏【写真:Getty Images】
元日本代表監督ファルカン氏(左)とハリルホジッチ氏【写真:Getty Images】

日本代表を率いたファルカン氏やハリルホジッチ氏の解任に言及

 サッカー解説者のセルジオ越後氏が、自身のYouTubeチャンネル「セルジオ越後チャンネル『蹴球越後屋』」を更新。日本代表を率いた外国人監督たちが解任される背景について語っている。

 日本サッカー協会の強化委員会で委員を務めた経験も持つ越後氏。「【監督解任の基準】元日本サッカー強化委員のセルジオが明かすクビ宣告の裏側!」と題した動画の中で、日本代表を指揮したパウロ・ロベルト・ファルカン氏やバヒド・ハリルホジッチ氏の解任について触れた。

 現役時代、ジーコ氏らとともにブラジル代表で「黄金の中盤」を形成したファルカン氏が日本代表監督に就任したのは1994年4月のこと。「『まだ日本のサッカーは、練習とか技術とかそういう前に、組織的にまだまだ遅れている部分がある』と、(ファルカンは)僕に言った。彼も気を使って協会にはそれは言わなかった。そういう発言をすることによって嫌われていく」と振り返る。

「足りないことを言い出したら、批判していると思われる部分があるんじゃないかと思う。僕もその中の1人ですから。辛口でやっぱりあんまり……人間っていうのは褒められるのが大好きで、そういうところがフリーディスカッションという社会じゃなかったので」

 また当時、チームドクターを巡る考え方についても、ファルカン氏側と溝があったという。「日本の文化が揺れたのよね」と明かす越後氏。トレーニング時の具体的なエピソードも動画内で語り、「彼(ファルカン)が医者よりも上にいて、一番仕切っているという縦社会が残念ながら日本にはなかった。彼だけではなく、外国人監督はぶつかっている」と指摘する。

 近年では、2015年2月に日本代表監督に就任したハリルホジッチ氏(現・モロッコ代表監督)も、18年ロシア杯直前の同4月に「選手たちとのコミュニケーションや信頼関係が薄れた」という理由から解任された。

 時に厳しい言葉を投げかけることもあったハリルホジッチ氏だが、越後氏は「なんでかっていうと、そういう文化に育ってるから。言わなかったら最終的に自分は更迭になるんだって。せめて自分の要求はぶつけるんだっていう」と説明している。さらに「そこがやっぱり、日本の文化の中には馴染まないっていう……。ほとんど、外国人監督が来たらもう衝突しているね」と主張していた。

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