田中碧は“欠かせない存在” 飛躍の鍵はゴレツカ的プレーと“確認・調整・修正”

デュッセルドルフに移籍した日本代表MF田中碧【写真:Getty Images】
デュッセルドルフに移籍した日本代表MF田中碧【写真:Getty Images】

【ドイツ発コラム】ワクワクが膨れ上がる田中碧のプレー、デュッセルドルフで欠かせない存在に

 ブンデスリーガ2部デュッセルドルフに移籍した日本代表MF田中碧はここまで6試合に出場している。デビュー戦となった4節ホルシュタイン・キール戦(2-2)では後半14分から途中出場し、5節シャルケ戦(1-3)からは5試合連続でスタメン出場。チームメイトからも頼りにされているし、すでにチームにとって欠かせない存在になっている。

 キール戦は現地で観戦できた。初めて田中のプレーを見るスタジアムのデュッセルドルフファンがどんどん引き込まれていく期待の空気を感じた。「あいつ、すごいんじゃないか?」というワクワクが膨れ上がってくる雰囲気がそこにはあった。

 ボールを持つ姿勢が美しい。パスが前線の味方にズバッと入る。鋭い出足でボールを奪い取る。惜しいシュートも放っていく。

 このキール戦ではどんどんパスが集まった。試合終盤で1点を追う展開。攻撃プランどうこうという流れでなくなっていたことも関係していたのだろう。だから個の力でボールを収め、ボールを運び、チャンスを作り出せる選手が必要になるし、その中で田中の存在は際立っていた。

 でもこの試合がすべての物差しになるわけではない。例えば続くシャルケ戦では相手の激しいプレスにつぶされるシーンも少なからずあった。奪われないと思った自分の距離でボールを収められそうな局面でも、相手に鋭く体を入れられてボールを失うケースもある。7節ヤーン・レーゲンスブルク戦(2-2)では自陣ペナルティーエリア付近で自身のパスミスがきっかけで失点につながってしまった。

 どの試合でも好タイミングでボール奪取をして、正確でリズムを壊さないパスで攻撃を構築しているのは素晴らしいことだが、どの局面でならシンプルに味方へボールを預けたほうがいいのか、どの局面では自分のところでボールを収めたほうがいいのかというチームとの連携のところで、さらに関係性を深めていくことが必要となる。

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中野吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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