浦和がクラブ史上最多タイ“16戦無失点”到達 攻撃的な印象も…なぜ堅守が光る?
14年に記録した16試合連続クリーンシートに並ぶ、効率的なプレスが堅守を下支え
浦和レッズは18日のリーグ第29節、セレッソ大阪戦に2-0で勝利した。これで今季のリーグ戦を「クリーンシート(無失点)」で終えたのが16試合目となり、クラブ史上最多タイになった。
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浦和は序盤からゲームの主導権を握ると、前半10分にMF関根貴大のラストパスからFW江坂任が先制ゴール。さらに後半14分にはDF岩波拓也のロングフィードからMF汰木康也が追加点を奪った。そして、守っては相手に決定機を与えることなく無失点で終えた。
今夏に加入した日本代表DF酒井宏樹や、デンマーク代表招集歴を持つDFアレクサンダー・ショルツは最終ラインに強度を与えている。試合を終えショルツは「コミュニケーションがとても大事になる。どの相手チームにもクオリティーがあるので、それを出させずチャンスを作らせないことが上手くいった。質が高いボール保持で相手を走らせることもできた。ディフェンスの位置もどんどん高くできて、相手をゴールから遠ざけることができた」と、試合を振り返った。
これで浦和はリーグ戦で5試合連続の無失点になった。2005年にJ1が18チームになって以来、浦和は14年に16試合のクリーンシートを達成したのが最多で、このセレッソ戦を終えてそれに並んだ。リーグ優勝を果たした06年、年間最多勝ち点を記録した16年はともに15試合で、今季からリカルド・ロドリゲス監督が就任して攻撃的なサッカーという印象を与えてきた浦和だが、ゴールを守る能力がかなり高いチームであることが数字に残っている。
ショルツはチームの守備について「チームが安定し、勝利しやすい状況だと思う。クリーンシートは気持ちの良いもの。リーグトップのチームになるには安定が必要。ディフェンスがチームを優勝させるという言葉もあるけど、僕もそれを信じている。これまで、他のチームでもそれを感じてきた。このチームはまだまだ良くなるけど、タフなスケジュールが待っている中でもその部分で貢献したい」とコメントした。
それを下支えしているのが、前線からの効率的なプレスでもある。ロドリゲス監督は「守る時の前から行く強度、プレスも良くなった」と話し、前線でMF小泉佳穂と並んで最終ラインへのプレスを担当する江坂も「2人の距離感と、相手を背中でどう消すか。(プレスの)スイッチを入れるタイミングは、お互いの距離とタイミングでやれている。今はそれが上手くいっている」と、手応えを話した。
近年、リーグ戦での低迷が目立ってきた浦和に堅守が戻ってきた。今季の目標を3位以内での来季AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得に定めている浦和だが、シーズン終盤戦に向けてリーグ6戦無敗としたが、その一因に守備の安定があるのは間違いないと言えそうだ。