低迷アーセナル、世代交代の過渡期に“237億円”補強 冨安ら若き才能は飛躍できるか

中央は新10番を背負うスミス・ロウ【写真:Getty Images】
中央は新10番を背負うスミス・ロウ【写真:Getty Images】

【欧州ビッグクラブ補強総括】アーセナル(昨季プレミアリーグ8位:18勝7分13敗/55得点・39失点)

【戦力充実度】
FW:★★★★★★★【7】
MF:★★★★★★【6】
DF:★★★★★★★【7】
GK:★★★★★★★【7】
※10段階評価

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【主な新加入選手】
MF
マルティン・ウーデゴール(←レアル・マドリード)
アルベール・サンビ・ロコンガ(←アンデルレヒト)

DF
ベン・ホワイト(←ブライトン)
冨安健洋(←ボローニャ)
ヌーノ・タヴァレス(←ベンフィカ)

GK
アーロン・ラムズデール(←シェフィールド・ユナイテッド)

アーセナルの今季基本布陣(赤字は新加入選手)【画像:Football ZONE web】
アーセナルの今季基本布陣(赤字は新加入選手)【画像:Football ZONE web】

開幕3連敗で最下位スタート、完全移籍加入はすべて21歳から23歳の6選手

 今夏の移籍市場で最も積極的な補強を展開したクラブの一つが、アーセナルだ。日本代表DF冨安健洋(←ボローニャ)の加入は日本のサッカーファンにとって嬉しいニュースだった。イングランド代表DFベン・ホワイト(←ブライトン)、ノルウェー代表MFマルティン・ウーデゴール(←レアル・マドリード)ら6選手の獲得に投じた金額は、総額1億5680万ポンド(約237億円)と伝えられている。

 しかし、量的なインパクトは大きい一方で、質に関しては不安も残る。冨安も含め、完全移籍加入の6選手はすべて21歳から23歳の選手たちで、将来を見据えた投資の印象は拭えない。ホワイトやウーデゴールといった人気銘柄を獲得できたのはポジティブだが、いずれもシーズンを通しての活躍には未知数な部分も多く、チーム全体の戦力を見渡してもリーグタイトルを狙うライバルクラブから見劣りする感が否めない。

 今夏の補強方針や21歳のMFエミール・スミス・ロウに背番号10を託した決断に象徴されるように、チームはまさに今、世代交代の真っ只中にある。そうしたチームには模範となるリーダーが必要なはずだが、キャプテンのガボン代表FWピエール=エメリク・オーバメヤンは周りの選手を鼓舞してキャプテンシーを発揮するタイプではなく、スイス代表では頼りになる“兄貴分”のMFグラニト・ジャカも第3節のマンチェスター・シティ戦(0-5)で軽率なタックルで一発退場となるなど、代表とはまるで別人のような振る舞いを見せた。

 だからこそ、余計に次世代のリーダー候補であるスコットランド代表DFキーラン・ティアニーへの期待は大きい。攻守両面で欠かせない存在となっている23歳の成長が、チームの浮沈の鍵を握るはずだ。また、新10番スミス・ロウやイングランド代表FWブカヨ・サカの成長は、チームにとって数少ない明るい材料と言えるだろう。

 プレミアリーグは開幕から3連敗。3試合で0得点9失点で最下位に沈むなど事態は深刻だが、オーバメヤンとフランス代表FWアレクサンドル・ラカゼットの2人が新型コロナウイルス感染の影響で離脱するなど、主力選手のコンディションが整っていないなかで、チェルシーやシティといった強豪相手との試合が続いたのも事実。インターナショナルブレーク明けに、どこまで立て直すことができるのかが注目ポイントとなる。

 昨季8位という不本意な成績に終わったガナーズにとって、まずは“トップ6”返り咲きが現実的な目標となるだろう。

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