マンU、“満点補強”で攻守に戦力アップ C・ロナウド起用法で問われる指揮官の手腕

新加入のDFヴァランはデビュー戦で見事なパフォーマンスを見せた【写真:Getty Images】
新加入のDFヴァランはデビュー戦で見事なパフォーマンスを見せた【写真:Getty Images】

【欧州ビッグクラブ補強総括】マンチェスター・ユナイテッド(昨季プレミアリーグ2位:21勝11分6敗/73得点・44失点)

【戦力充実度】
FW:★★★★★★★★★【9】
MF:★★★★★★★★【8】
DF:★★★★★★★【7】
GK:★★★★★★★★★【9】
※10段階評価

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【主な新加入選手】
FW
ジェイドン・サンチョ(←ドルトムント)
クリスティアーノ・ロナウド(←ユベントス)

DF
ラファエル・ヴァラン(←レアル・マドリード)

GK
トム・ヒートン(←アストン・ビラ)

マンチェスター・ユナイテッドの今季基本布陣(赤字は新加入選手)【画像:Football ZONE web】
マンチェスター・ユナイテッドの今季基本布陣(赤字は新加入選手)【画像:Football ZONE web】

ヴァラン加入で守備に安定感、サンチョも加えたアタッカー陣は質量ともプレミア屈指

 ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド復帰というビッグニュースが強烈なインパクトを与えたが、それ以外でも各ポジションに的確な補強を進めて“赤い悪魔”は着実に戦力アップを果たした。

 特にレアル・マドリードから獲得したフランス代表DFラファエル・ヴァランの加入は大きな意味を持つだろう。デビュー戦となったプレミアリーグ第3節ウォルバーハンプトン戦(1-0)では主将DFハリー・マグワイアとのコンビでゴール前に鉄壁を築き、早速ポジティブな印象を残した。中盤から前に攻撃的なタレントを多く揃えるチームにあって、守備に安定感をもたらす心強い存在だ。

 さらにスペイン代表GKダビド・デ・ヘアとイングランド代表GKディーン・ヘンダーソンを抱えるゴールマウスに、イングランド代表経験を持つGKトム・ヒートンをフリートランスファーで獲得。第3GKにしておくにはもったいない実力者を加えたGKの選手層は、プレミア最高レベルと言っていいだろう。

 アタッカー陣では1年越しの思いを実らせて、ドルトムントからイングランド代表MFジェイドン・サンチョを獲得。ロナウドも加えた陣容は質量ともにやはりプレミア屈指だ。移籍の噂が絶えなかったフランス代表MFポール・ポグバも残留。攻撃のタクトを振るうポルトガル代表MFブルーノ・フェルナンデスも健在で盤石の布陣が揃っているが、懸念材料を挙げるとすれば36歳のロナウドの起用法か。

 オレ・グンナー・スールシャール監督はロナウドについて、「ベンチに座るために来たわけじゃない」とレギュラーとしての起用を示唆。守備面のバランスを考えれば最前線での起用がベターだが、そうなればイングランド代表FWメイソン・グリーンウッドやウルグアイ代表FWエディンソン・カバーニがベンチに座る可能性がある。負傷中の昨シーズンのチーム得点王であるイングランド代表FWマーカス・ラッシュフォードも10月には復帰する見込み。フェルナンデスとはポルトガル代表で一緒にプレーしているが、先の欧州選手権では2人が良いコンビネーションを見せる機会はなかった。選手起用の兼ね合いをどのように取るのか。指揮官の手腕が問われることになりそうだ。

 補強に関しては満点と言っていいが、それだけに2013年以来となるリーグタイトル獲得へのプレッシャーはより一層大きくなるはず。昨季はマンチェスター・シティに次ぐ2位でシーズンを終えたとはいえ、王者との勝ち点差は「12」と大きく水を開けられた。38試合で引き分けが「11」(21勝6敗)と勝ちきれない試合が多かっただけに、攻守のバランスを改善して“常勝”チームへと変貌を遂げたいところだ。

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