冨安獲得のアーセナル、エメルソン獲得のトッテナム、”より良い補強”を英メディア検証
英メディアは守備の数値の高さを評価し、「アーセナルにとってより良い契約」と結論
夏の移籍市場で北ロンドンにある二つのライバルクラブは、それぞれ最終ラインの選手の補強に動いていた。最終的に、アーセナルはボローニャから日本代表DF冨安健洋、トッテナムはバルセロナからブラジル代表DFエメルソン・ロイヤルを補強したが、それぞれの行き先が逆になってもおかしくなかった。英メディア「フットボール・ロンドン」は両選手のデータを比較し、補強が適したものだったかを検証している。
移籍市場の最終日にアーセナルは、1980万ポンド(約30億円)で冨安を獲得。一方のトッテナムも移籍市場の最終日に、エメルソンを獲得。アーセナルは右サイドバックの補強を目指していたため、最大のライバルがエメルソンを獲得したことから、補強で後手を踏んだかと目されている。
記事では、両選手の検証を実施。試合出場数は冨安が過去2シーズン、セリエAで62試合に出場し、ドリブルを仕掛けてきた相手に56%の確率でタックルし、ドリブルで相手に抜かれた回数はわずか30回だったという。一方、ベティスに期限付き移籍していたエメルソンは、52%のタックル率だったが、39回抜かれている。また、相手にプレッシャーをかけた際も、冨安は35%の確率でボールを奪ったのに対し、エメルソンは30%という数字になっている。
また、両選手のクリア数でも冨安の145回に対し、エメルソンは116回。ただし、タックルを仕掛けた選手の数に関しては、冨安の43人に対して、エメルソンが96人と大きく上回っている。記事では、「冨安がボローニャでセンターバックを務めていたことからも、守備能力の高さでは、冨安が高い」と伝えた。
一方、攻撃面でも「アルテタ監督は、格下相手にはボールをつなぐことを好む。この点でも冨安は83%のパス成功率で、エメルソンの81%を上回っている。ドリブル成功率でも冨安が64%だったのに対し、エメルソンは42%。ボールを運んだ距離を見ても、冨安が7348ヤードで、エメルソンの6329ヤードを上回る」と、冨安がより貢献できるポイントを紹介している。ただし、エメルソンは1得点4アシスト、冨安は2得点0アシスト、クロスの数はエメルソンが74本、冨安が23本と両者の数字を比較した。
こうしたデータから、記事では「アルテタ監督のアーセナルは守備面で抱えており、得失点差でもリーグワースト。冨安はアーセナルにとって、より良い契約だった」と結論付けしている。
センターバックとサイドバックの比較になるため、判断も難しいところだが、どちらがより良い補強になったかという論争は、今季を通じて継続されそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)