久保建英は「非常にエレガント」 現地記者が高評価も“注文”「もっとゴールに…」

マジョルカの地元テレビ局「IB3」のホセ・マヌエル・ペーニャ・フランコ記者【写真:高橋智行】
マジョルカの地元テレビ局「IB3」のホセ・マヌエル・ペーニャ・フランコ記者【写真:高橋智行】

実力を認めているからこその要求「大きな違いを生み出す選手だと思っている」

 ルイス・ガルシア監督はアラベス戦後の記者会見で久保のプレーに満足している様子を示したが、「ペナルティーエリア内にもっと侵入し、より大胆にプレーする必要がある」と注文をつけた。

 また試合後、アラベスの本拠地ビトリアまで取材に来ていたマジョルカの地元テレビ局「IB3」のホセ・マヌエル・ペーニャ・フランコ記者が、この日の久保について語ってくれた。

「先週のベティス戦と比較し、タケが一歩ステップアップしたのは間違いない。先発入りは自信を与えてくれるからね。しかし、ルイス・ガルシアのコメントに付け加えるとするならば、タケはもっとゴールに対して責任感を持つ必要があるだろう」と、ゴールに向けた絡みが少ないことを指摘した。

 しかし、それは実力を認めているうえでの要求だった。なぜならフランコ記者は、「タケは違いを作れる選手。ボールを失うことが少ないし、非常に素晴らしいドリブルを仕掛けることができる。彼がサイドや中央から試みるすべての攻撃が、常にポジティブなものだ。私は彼がマジョルカのなかで大きな違いを生み出すことのできる選手だと思っている」と高く評価しているのである。

 久保が今後も先発入りできるかについては「レギュラーになれると私は思う。ルイス・ガルシアはまだ先発メンバーを入れ替え、様々なテストを実施しているところだが、タケは素晴らしい能力を備えているので、マジョルカで出場時間をたくさん得られる選手になるはずだ」と、ビジャレアルとヘタフェで過ごした昨季の二の舞にはならないと推測する。

 続けて、「敵地メンディソロツァのサポーターが拍手を送ったことでも分かる通り、タケは魅力的なサッカーを展開することを好む非常にエレガントなプレーヤーだ。彼が常にピッチにいることは、マジョルカにとってポジティブなことなので、レギュラーの座を勝ち取る必要がある。しかし、普段通りのことをやりさえすれば、タケは議論の余地のない絶対的なレギュラーになれるはずだ」と太鼓判を押していた。

 久保のスペイン3シーズン目はまだ始まったばかり。次節、同じ昇格組のエスパニョールと対戦した後、代表ウィークを迎える。日本代表招集となれば、長距離移動やチーム練習不参加など、マジョルカでのレギュラー獲りに向けて不利な状況を再び過ごすことになるが、スペインでの過去2シーズンの経験を生かし、上手く乗り越えてくれることを期待したい。

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高橋智行

たかはし・ともゆき/茨城県出身。大学卒業後、映像関連の仕事を経て2006年にスペインへ渡り、サッカーに関する記事執筆や翻訳、スポーツ紙通信員など、スペインリーグを中心としたメディアの仕事に携わっている。

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