手倉森監督待望の完全敵地で迎える日韓戦は、ロシアW杯に向けたリスタート

「日本にとって成長の糧」

 U-21日本代表の手倉森誠監督は、28日の韓国・仁川アジア大会準々決勝の韓国戦で、ブラジルワールドカップ(W杯)1次リーグ敗退の失望に終わった日本サッカー界を再び前進させる勝利を目指す。
 手倉森監督は、試合会場の文鶴競技場で同韓国代表の李光鐘監督と、合同記者会見に臨んだ。そして、壮絶なブーイングの嵐など、完全アウェーが予想される準々決勝を心から歓迎した。
「仁川でホームの韓国とやれるのは、日本にとって成長の糧になる試合。ブラジルW杯で負けた両国にとって、18年ロシアW杯に向かう重要な戦いになる。韓国はどの試合もアグレッシブに戦っている印象がある。これまで無失点。ゼロで抑えて勝ってきていることに、この大会を制する意気込みを感じる。それに風穴をあけるゴールを奪いたい」
 韓国はドイツ・ブンデスリーガでプレーする2選手など、23歳以上の選手枠「3」をフル活用するなど、自国開催のアジア大会で是が非でも優勝を手にしたい考えだろう。さまざまなアウェーの洗礼が待ち受けているはずだが、指揮官は大会無失点の韓国DF陣からゴールを奪うことで、大きな突破口を狙おうとしている。
 OA枠を最大活用し、優勝時には兵役免除という栄誉まで手にできる。その韓国に対し、日本代表は2016年のリオ五輪に参加する世代であるU-21日本代表という一つ下のカテゴリーの若手主体で臨んでいる。
「OA枠を使用しない理由? 日本はこのチームがロシアW杯に向けたサッカー界のリスタート。リオ五輪でも成績を求められるし、その強化という位置づけだ。経験者の韓国と戦えるのは、ものすごく良い経験になる。警戒するのは(ブンデス・リーガでプレーする)パク・チュホやキム・ジンスら。Jリーグでプレーする選手もいる。アタッカーもスピードがあるので気をつけたい」
 公式戦とはいえ、ここは通過点に過ぎない。リオ五輪、そして、ロシアW杯に向けた道程への出発直後で迎える完全敵地の日韓戦。死闘を制し、飛躍の糧とするつもりだ。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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