「なぜもっと早く…」 闘莉王が“采配”を一刀両断、三笘の起用法は「失敗だった」

メキシコ相手に果敢に攻める三笘薫【写真:Getty Images】
メキシコ相手に果敢に攻める三笘薫【写真:Getty Images】

【五輪経験者の視点】東京五輪のU-24代表を総括、三笘の活用法を疑問視

 U-24日本代表は、東京五輪を4位で終えた。1968年メキシコ大会以来のメダル獲得を逃したものの、開催国としてのプレッシャーが圧し掛かる中でのパフォーマンスを称える声が上がる。一方、メキシコとの3位決定戦では、途中出場のMF三笘薫が鋭いプレーを連発しゴールを決める活躍を見せたことから、森保一監督の采配を疑問視する声も噴出。「Football ZONE web」で五輪期間中のスペシャルアナリストを務めている元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏は、この点について「起用法は失敗だった印象を受ける」と指摘した。

  ◇   ◇   ◇

 今回の五輪代表は素晴らしい戦いを見せてくれた。本当に誇らしく思う。その一方で、疑問が残った部分もある。三笘薫だ。メキシコ戦の30分間であれだけのパフォーマンスを見せてくれた。見ている側としても、やっぱり、なぜ三笘をもっと早く起用しなかったのか、という起用法に疑問がある。

 あそこまで温存したからこそ、あのパフォーマンスが出せたという意見もあるかもしれない。残念ながら、五輪は短期決戦で一発勝負。リーグ戦のような長期戦ではない。

 三笘をもっと試しても良かった。あれだけのパフォーマンスを見れば、スペイン戦でも使えたのではないか。それなのにベンチ外。メキシコ戦でも、リードされたもっと早い時間帯で投入できた。いや。先発でもおかしくないようなパフォーマンスだった。

 フィジカル面のメンテナンスやターンオーバーもあったかもしれないけれど、彼の起用法は失敗だった印象を受ける。

 打開力という面ではこの代表で一番。久保建英と堂安律よりも三笘は上。狭いスペースでの1対1の部分で一番うまい。このチームで一番上手い選手、代表にとっての大きな武器をいかに使うかは、監督の腕の見せ所だと思う。

 出場時間を重ねれば、重ねるほど、コンディションとパフォーマンスは上がってくるもの。三笘の力を最大限活用できなかった。

 チームとしては、三笘と同じパフォーマンスを出せる実力者が同じポジションで先発する状況ならば問題ない。だが、A代表でも局面打開力はトップ。同じレベルの選手はそういない。相馬勇紀と旗手怜央がいくら頑張ったとしても、同じクオリティーは出せない。スペシャルな選手だけに、スペシャルな起用法も必要だったと思う。

 スマートな印象だが、監督に対してもっともっと強烈にアピールしてもいいのでは。オレを使って欲しい、出して欲しい、と監督本人に伝えるぐらいの熱さはあってもいい。たとえ、パフォーマンスが上がっていないと言われたとしても、「出して見なければわからない」と伝えてもいい。直接指導者と話すことはおかしいところじゃないと思う。

 出せなかったらオレの責任と言い切ったほうが悔いは残らない。もっと強気な三笘が見たい。この後、海外移籍が発表されている。大きな壁にぶつかって潰れるのか、本物のモンスターになるのか。三笘には怪物になってもらいたい。

[プロフィール]
田中マルクス闘莉王/1981年4月24日、ブラジル出身。渋谷幕張高を卒業後、2001年に広島でJリーグデビュー。03年に日本国籍を取得し、04年アテネ五輪に出場した。その後は浦和でJ1とACL初制覇、名古屋でもJ1初優勝に貢献。06年にはJリーグMVPを受賞した。日本代表としても43試合8得点の成績を残し、10年南アフリカW杯ベスト16進出の立役者に。19年限りで現役引退。Jリーグ通算529試合104得点で、DF登録選手の100得点はリーグ史上初。現在は公式YouTubeチャンネル「闘莉王TV」でも活動中。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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