日本の守備陣は「別格の活躍」 英国人記者がスペイン戦を称賛「勇敢で誠実だった」

森保一監督はどのように3位決定戦に臨むのか【写真:AP】
森保一監督はどのように3位決定戦に臨むのか【写真:AP】

3位決定戦へ向けて、森保監督にはキャリアで最も難しい仕事が待っている

 遠藤航も技術的に優れた相手を抑える方法を田中碧に示しながら戦い続けた。川崎フロンターレから今夏ドイツに渡ったヤングスターは、これほど献身的な選手と一緒にプレーできて大きな恩恵を受けられるはずだ。

 出場停止から戻ってきた酒井宏樹は、右サイドの守備をより堅実なものにした。中山雄太は左サイドで上手くバランスをとっていた。日本は攻撃面で苦戦したが、それは努力が欠けていたというわけではないだろう。

 堂安律と久保建英は、スペイン相手に戦いを挑んだが、攻撃の糸口を掴むのに時間を要した。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督のスペイン代表は、最初の15分で70%のポゼッションを握っていたが、ハーフタイムが近づくにつれてその数字は下がっていった。

 林は執拗に動き、中盤の人数を増やすために中盤に下がっていた。旗手怜央はチームメートとポジションを入れ替えながら動き回り、スペインにリラックスする暇を与えなかった。

 両チームともにチャンスは限られていた。谷の鋭い動きがラファ・ミルを苛立たせていた。一方、日本は久保が最初の枠内シュートを放つまでに78分を要した。どちらもファイナルサードで違いを生み出すのに苦労していた。

 延長戦ではスペインが勝つ可能性が高いように見えたし、プレーのバランスという面でデ・ラ・フエンテ監督は自分たちが決勝進出にふさわしいと感じていてもおかしくはない。

 日本の金メダルの夢は残酷な形で終わりを迎えた。しかし、フットボールではたびたびこういうことが起きるものだ。森保監督には、おそらく監督キャリアで最も難しい仕事が待っている。

 彼らはすでにメキシコに勝っているが、金曜日には疲れた足、疲弊したメンタル、折れた心で同じことをしなければならないのだ。彼らを慰めるのは銅メダルだ。日本はもう一度だけ、自分たちを奮い立たせなければいけない。彼らにはそれができる力がある。今こそホームのファンが、彼らの背中を押す時だ。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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