9年間で9人目の監督が挑む清水の“改革元年” J1王者との間に見えた明確な差

川崎が2人の指揮官でつないだ9年間、清水はロティーナ監督で9人目

 ただ、いつもの川崎の完璧なパス回しや相手を翻弄する動きなどは、やはり疲労からかミスも目立ち、そこは試合前日に「他のチームと同じように川崎にも付け入る隙はどこかにある」と話したMFカルリーニョス・ジュニオの言葉どおりに、そのわずかな隙を清水は果敢に突いていき、何度も川崎ゴールに迫る展開となった。最終的なスタッツも徳島戦のようにそこまで驚くほど大きな差はなかったが、そこは王者川崎。チャンスは確実にものにして、ピンチは確実に跳ね返す。結果はそのまま0-2となり、まだまだ両者の実力差があることを痛感させられる試合となった。

 川崎は2012年の途中から風間八宏氏が5年間指揮し、その後を引き継いだ鬼木達監督も今年で4年目。清水はこの同じ期間で8人の監督を招聘し、今シーズンから9人目のロティーナ監督にチームを託した。毎年進化し続け、そのフィロソフィーを継続する川崎に対して、戦術やスタイルに迷走した清水との差が現在のクラブの立ち位置、チーム作りに表れている。

 しかし、多くの選手を獲得し「血の入れ替え」をして新たなスタートを切り、この夏の移籍期間でもさらに入れ替えが行われるが、今シーズンは“改革元年”として期待しているサポーターもいる。次の川崎とのリーグ戦での対戦は10月23日だが、その差をどこまで埋めることができるのか。今シーズン初のチケット完売となったこの試合を観戦した約9000人の観客は、次の川崎との対戦を成長したチームがどれだけ戦うことができるのか楽しみにしているはずだ。

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下舘浩久

1964年、静岡市(旧清水市)生まれ。地元一般企業に就職、総務人事部門で勤務後、ウエブサイト「Sの極み」(清水エスパルス応援メディア)創設者の大場健司氏の急逝に伴い、2010年にフリーランスに転身。サイトを引き継ぎ、クラブに密着して選手の生の声を届けている。

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