五輪で輝いた歴代「大物オーバーエイジ3選」 母国を牽引…悲願のメダル獲得に貢献

イタリア代表時代のアンドレア・ピルロ【写真:Getty Images】
イタリア代表時代のアンドレア・ピルロ【写真:Getty Images】

日本とも対戦したアテネ大会のイタリア、“10番”ピルロが68年ぶりのメダル獲得に導く

 オリンピックの男子サッカーは、1992年のバルセロナ大会からU-23の大会として行われている。オーバーエイジ(OA)の参加が認められるようになったのは、96年のアトランタ五輪から。当初からオーバーエイジ枠の使用には様々な考え方があり、日本でも賛否両論を生んできた。

 しかしながら実際、時のスター選手や百戦錬磨のベテランなど、多くの選手が若いチームを引っ張り、支え、大会の盛り上げ役になってきた。開催が1年延期され、U-24の大会となった東京五輪でも開催国の日本がA代表の主力であるDF吉田麻也(サンプドリア)、DF酒井宏樹(浦和レッズ)、MF遠藤航(シュツットガルト)の“最強メンバー”を招集した一方で、前回王者のブラジルは大ベテランのDFダニエウ・アウベス、欧州選手権(EURO)出場メンバー6人を擁する優勝候補のスペインはMFダニ・セバージョス、MFマルコ・アセンシオといった実力者を加えている。

 今回は過去の大会で抜群の存在感を放ち、母国のメダル獲得に貢献した3人を厳選して紹介する。

■アンドレア・ピルロ(2004年アテネ五輪/イタリア代表/MF)

 セリエAのACミランやユベントスで活躍した伝説的なプレーメーカーは、ミランに移籍した翌年の2002年からA代表に選ばれ、06年にはドイツ・ワールドカップ(W杯)で主力の1人としてアズーリの優勝に貢献した。そんなピルロが25歳の時、EURO2004を戦った直後のアテネ五輪にオーバーエイジとして出場したのは当時の驚きだった。

 FWアルベルト・ジラルディーノやMFダニエレ・デ・ロッシを擁し、欧州チャンピオンとして出場したイタリアでピルロはキャプテンマークを巻き、10番を背負って中盤から攻撃を組み立てた。日本、パラグアイ、ガーナと同じグループBに入ると、日本に3-2で勝利して辛くも2位で突破。準々決勝のマリ戦は延長戦までもつれ込んだ試合を、イタリアらしく1-0で勝ち上がる。

 準決勝ではFWカルロス・テベス、FWハビエル・サビオラ、MFアンドレス・ダレッサンドロなどタレント軍団だったアルゼンチンに0-3と完敗を喫するが、3位決定戦では左サイドに流れたピルロのクロスからジラルディーノのゴールでイラクに1-0と勝利し、男子サッカーでは1936年のベルリン大会で金メダルを獲得して以来、68年ぶりとなるメダルを獲得した。

■イバン・サモラーノ(2000年シドニー五輪/チリ代表/FW)

 スイスのザンクト・ガレンでブレイクし、スペインの名門レアル・マドリード、さらにセリエAのインテルで一時代を築いたストライカーは、対空時間の長いジャンピングヘッドで“ヘリコプター”の異名を取った。

 1998年のフランスW杯では、FWマルセロ・サラスとの“サ・サコンビ”でベスト16進出に貢献。そんなサモラーノが、オーバーエイジとしてチームを引っ張ることを期待されたのがシドニー五輪だ。カメルーンの金メダル獲得を支えることになったFWパトリック・エムボマなど、豪華なオーバーエイジが名を揃えた同大会でも一際輝きを放っていた。

 サモラーノの2得点などで初戦のモロッコ戦に快勝したチリは、さらに銀メダルを獲得するスペインを破り2連勝。韓国に不覚を取ったものの、堂々の首位通過を果たす。準々決勝では爆発的な攻撃力を誇っていたナイジェリアを4-1と粉砕、サモラーノは決勝ゴールを記録した。

 決勝進出をかけて、同じオーバーエイジのエムボマを擁するカメルーンと対戦したが、先制したものの終盤に2失点して3位決定戦へ回ることに。相手は日本を準々決勝でPK戦の末に破り、準決勝でスペインに敗れたアメリカ。若きエースのMFランドン・ドノバンなど躍動的なチームだったが、チリは後半に獲得したPKをサモラーノが決めると、終盤にもサモラーノが追加点を決めて2-0と勝利。チリにサッカー史上初、シドニー五輪では唯一のメダルをもたらした。

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河治良幸

かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。

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