「中田英寿やケーヒル級の選手がいない」 豪州記者、W杯最終予選“同組”の日豪へ警鐘

近年力を増してきているサウジアラビア代表【写真:Getty Images】
近年力を増してきているサウジアラビア代表【写真:Getty Images】

もしも中立地での開催となれば戦いは劇的に変化する

 このように見ていくと、オーストラリアと日本が入ったグループBのほうがW杯への道のりは容易であると言えそうだが、ここにはまだ多くの不確定要素がある。

 両国とも前回のワールドカップ予選では攻撃的なマインドを持った監督(日本はバヒド・ハリルホジッチ、オーストラリアはアンジェ・ポステコグルー)が指揮を執っていたが、今回は森保一とグラハム・アーノルドという現実的な監督(ベトナムは受け身なパク・ハンソ)だ。今回の最終予選は非常にタイトな争いになるだろう。

 そして、おそらく最も重要なファクターは、コロナ禍において、いつ、どこで、どのように試合が行われるかという点だろう。AFCは公式にホーム&アウェー方式を採用するとしているが、個人的にはタイ、香港、マレーシアなどの中立地で行う“バブル方式”について真剣に議論したい。

 もしそれが実現すれば、戦いは劇的に変化するだろう。私の予想ではベトナムのチャンスがより大きくなり、サウジアラビアは“ビッグ2”を脅かす存在となるはずだ。

 W杯開幕まで1年半を切っており、予選はさらに激しさを増す。2006年に日本とオーストラリアのライバル関係が本格化して以降、このようなプロセスは他に例がなく、“ビッグ2”のうちの1つが自動出場権獲得の枠からこぼれ落ちることも十分に起こりうる。

(スコット・マッキンタイヤー / Scott McIntyre)



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スコット・マッキンタイヤー

東京在住のオーストラリア人ジャーナリスト。15年以上にわたってアジアサッカー界に身を置き、ワールドカップ4大会、アジアカップ5大会を取材。50カ国以上での取材経験を持ち、サッカー界の様々な事象に鋭く切り込む。

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