東京五輪と暑熱対策 史上最多“欧州組9人”の難しさに森保監督が言及「体質も…」

U24日本代表【写真:Getty Images】
U24日本代表【写真:Getty Images】

蒸し暑さとの戦いになる東京五輪、暑熱対策も直前合宿の大きなテーマ

 東京五輪に臨むU-24日本代表は12日、本大会出場国のホンジュラス(ヨドコウ桜スタジアム)と国際親善試合を戦う。その一戦を前に記者会見に出席した森保一監督は、5日からチームが始動したなかで「順調にコンディションは上がっている」とした一方、欧州組中心となったチームだからこそ、日本の高温多湿な気候への順応に難しさを感じている部分があると明かしている。

 5日から始動したU-24日本代表は、五輪開幕直前の強化試合としてホンジュラス、スペイン(17日/ノエビアスタジアム神戸)と対戦する。南アフリカとの開幕戦(22日/東京スタジアム)まで残り10日の状況で迎えるホンジュラス戦について、森保監督はキャンプ中の大学生との練習試合よりも、「相手チームのレベルが上がったなかで、本大会に向けたゲーム勘やゲーム体力を個々、チームとして上げていければ」と語る。

 東京五輪に向けて招集されている22人のメンバーのうち、9人が欧州クラブでプレーしている。今大会はコロナ禍により登録メンバーが4人増えているとはいえ、1996年アトランタ(0人)、2000年シドニー(1人)、2004年アテネ(1人)、2008年北京(2人)、2012年ロンドン(4人/清武弘嗣と酒井宏樹は大会前までJリーグでプレーしたため除外)、2016年リオデジャネイロ(1人)と歴代の五輪代表メンバーと比較しても圧倒的に多い。経験値という部分では頼もしい限りだが、日本でプレーしていない影響の一つとして「ヨーロッパでの生活が長くなっていて、夏場の日本の高温多湿なところは少しコンディションを作るには難しい」という事情があると、森保監督は明かす。

「体質も変わってきているかもしれない。選手にとってはきつい部分があるのかなと。トレーニングも密度が濃い、量的にもハードにやっているので、選手としては大変な部分があるかなと思う。選手が暑さを感じるとか、きつさを感じるという部分において、コンディションを崩すことになってはいけないが、ギリギリのところで良いコンディションを作れるようにプランして、そこに積極的にトライしてくれている」

 開催国として有利な部分が多々あるものの、主力の約半数が欧州を拠点に生活しているからこその難しさ。もっとも、日本特有の“蒸し暑さ”への順応は海外選手のほうが大変なのは明らかであり、気候をよく知る日本はこれまでの経験を基に着実に調整を進めているようだ。

「アイスバスなど、選手たちに少しでも体を動かした後に冷やして回復できるようにと対策している。逆に発汗するために、トレーニングのなかでは元々夕方の予定だったのを少し早めて暑いなかでやること、個々に風呂に入ることなど、暑さに慣れるというのを、チームとしても個々でもやってくれている」

 6月の3試合より暑いなかで行われるホンジュラス戦とスペイン戦で、各選手がどこまで気候に順応できるか。ピッチ上でのプレーと同様、本大会に向けた注目ポイントになりそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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