「クレイジーな試合」 W杯王者フランス、EURO16強でスイスにPK負け…仏紙落胆

フランスはムバッペがPKを失敗し、敗退となってしまった【写真:ロイター】
フランスはムバッペがPKを失敗し、敗退となってしまった【写真:ロイター】

スイスと3-3の死闘、PK戦の末に4-5で敗れベスト8進出を逃す

 欧州選手権(EURO)は現地時間28日、決勝トーナメント1回戦が行われ、スイスがフランスを3-3でもつれ込んだPK戦を5-4で制す金星で、初のベスト8入りを果たした。フランス有力紙「レキップ」は、この敗退劇に「クレイジーな(狂気の)試合」と報じた。

 フランスは左サイドバックのDFリュカ・エルナンデスとDFリュカ・ディニュが負傷でスイス戦に間に合わなかった。ディディエ・デシャン監督は3バックを採用し、MFアドリアン・ラビオを左ウイングバックに据える決断をしたが、これが全くハマらなかった。そして、相手FWハリス・セフェロビッチに先制された状況を「論理的に罰せられた。デシャンのチームには何もなかった」と酷評された。

 前半途中からDFプレスネル・キンペンベを左サイドバックに出した4バックに変更すると、後半開始からはMFキングスレー・コマンを投入し、ラビオを左サイドバックに下げた4バックに固定。しかし、スイスに攻め込まれて後半8分にはPKも献上する結果になった。ここでGKウーゴ・ロリスがスーパーセーブを見せると、フランスは一気に復活。FWカリム・ベンゼマの連続ゴールで逆転し、さらにMFポール・ポグバも芸術ミドルを決め、残り15分で3-1とリードした。

 しかしここから、ラビオの代わりがいないなかで猛攻を受けるとフランスの守備不安が露呈。残り時間で2失点して延長戦に持ち込まれた展開を、レキップ紙では「すべてをやり直す必要に迫られ、それは本当に酷いものだった」とレポート。そして、延長戦では両者が決めきれず、PK戦では4人目まで全員が決めた後、先攻のスイスが5人目を成功させ、フランスはFWキリアン・ムバッペがシュートをセーブされ、敗退となった。

 フランスが主要大会でPK戦を戦うのは、2006年ドイツ・ワールドカップ(W杯)決勝でイタリアに敗れた時以来。その時もイタリアが全員成功したのに対して、フランスはFWダビド・トレゼゲが失敗していた。それだけに、レキップ紙は「ムバッペによってトレゼゲの歴史が繰り返された」と、厳しい言葉を並べた。

 スイスにとってはEUROで初の8強進出となり、スリリングなゲームを勝利に持ち込んだものになった一方で、2018年W杯優勝に続く主要大会連覇を狙ったフランスは敗退。負傷者続出という緊急事態ではあったものの、3バック採用やラビオのサイドバック起用などは今後、厳しく追及されることになりそうだ。

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