EURO16強で「英独決戦」 コロナ禍で“完全アウェー”も…独紙が勝利を確信する理由

イングランドとドイツが激突する注目の一戦【写真:Getty Images】
イングランドとドイツが激突する注目の一戦【写真:Getty Images】

イングランドとドイツが激突する一戦、ウェンブリーでの対戦成績はドイツ有利?

 欧州選手権(EURO)のグループFを2位通過したドイツは、現地時間29日にC組1位のイングランドと対戦する。決勝トーナメント1回戦で屈指の好カードとなり注目が高まっている一方、ドイツはロンドンのウェンブリー・スタジアムで行われるこの試合で、“完全アウェー状態”での戦いを強いられることがほぼ決定的となっているようだ。

 ドイツが母国サポーターの声援を期待できない理由は、英国政府による新型コロナウイルスの感染拡大防止策にある。現在、ドイツからイギリスに入国する際にはPCR検査による陰性証明書の提示と最大10日間の隔離措置が義務付けられていて、隔離期間中の2日目と5日目にPCR検査を実施してどちらの結果も陰性であれば、隔離措置は5日間で終了となるが、このルールでは25日以降にイギリスに入国したドイツ人サポーターは29日のイングランド戦には間に合わないため、当日の試合会場のスタンドはイングランドサポーターで埋め尽くされる可能性が高い。

 一方、ドイツにとって有利なデータもある。1966年のイングランド・ワールドカップ(W杯)決勝で、イングランドと対戦した西ドイツ(当時)は、ジェフリー・ハーストの疑惑のゴールなどで2-4で敗れて優勝を逃したが、それ以降ドイツは29日の試合会場でもあるウェンブリーでイングランドと計5回対戦して全勝している。1972年のEURO予選(3-1)、1996年EURO準決勝(1-1/PK戦6-5)、2000年W杯予選(1-0)、2007年親善試合(2-1)、2013年親善試合(1-0)といずれもホームの大声援を背に戦うイングランドから勝利。そのためドイツ紙「ビルト」も、「ハロー、ウェンブリー、僕らはまた来るぞ」との見出しで、過去の対戦成績を取り上げながらドイツにとって相性の良い条件での戦いであることを強調している。

 地の利ではイングランド、データ上ではドイツが有利と言える29日の試合だが、いずれにせよ両チームとも欧州のビッグクラブで中心的役割を担っている選手を数多く擁しているため、大会史上に残る名勝負になる可能性も十分にありそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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