「ヴェルディらしさとは何か?」 “緑の名門”出身の両監督、好対照なスタイルで激突

先制を許したものの3-1で逆転勝ちを収めた東京ヴェルディ【写真:Getty Images】
先制を許したものの3-1で逆転勝ちを収めた東京ヴェルディ【写真:Getty Images】

【J番記者コラム】秋田の吉田謙監督は読売クラブOB、永井秀樹監督の東京Vと対戦

 東京ヴェルディがブラウブリッツ秋田を迎えて戦った5月29日のJ2リーグ第16節は、先制を許したものの3-1で逆転勝ちを収めた。後ろから丁寧にボールをつなぎポゼッションにこだわる東京Vと、ロングボールの使用率リーグトップでボール支配率では最下位の秋田という、対照的なスタイルがぶつかり合った一戦でもあった。

 興味深いのは、両指揮官の年齢が近く、ともにヴェルディもしくはその前身の読売クラブOBであることだ。

 秋田の吉田謙監督は1970年3月1日生まれ。読売クラブジュニアユース、読売クラブユース、読売ジュニオール(若手中心のリザーブチーム的な位置付け。1992年にクラブがヴェルディ川崎へと組織改変するに伴い解散)と読売一筋で育った。その後NKKを経てヴァンフォーレ甲府でプレー。98年にジヤトコFCで現役を引退し、アスルクラロ沼津で指導者の道へと進んだ。

 一方、東京Vの永井秀樹監督は1971年1月26日生まれ。国見高校から国士舘大に進み、92年に中退してV川崎に加入した(つまり吉田監督とは入れ違いということになる)。Jリーグ草創期のクラブ黄金時代を若手として過ごし、当時はアイドル雑誌の表紙を飾ることもあった。他クラブでプレーすることもあったが、現役最後の3年間は緑のユニフォームを着て過ごし、2016年にスパイクを脱ぐと翌年、東京Vユース監督として指導者のキャリアをスタートさせた。

 永井監督は吉田監督と深く面識はないようで、「話にはよく聞いていて、ジュニアから読売にいて、ヴェルディ愛というか読売愛がすごくある方だなと感じています」と語っていたが、同じ緑の名門の血が流れる指導者でありながら、前述のように目指すサッカースタイルは真逆。それは煌びやかなスター選手であった永井監督と、比べればやはり地味な経歴を持つ吉田監督の、歩んできた道の違いによるものかもしれない。

 永井監督はトップチーム監督就任にあたり、「ヴェルディらしさを取り戻す」と公言した。ヴェルディらしさとは、永井監督によれば「圧倒して、圧勝する」こと。自身もその一員であった、Jリーグ草創期に憎らしいまでの強さでタイトルを総ナメにした、あの強さを取り戻すことにある。ポゼッションにこだわるのは、相手にボールを持たせず何もさせないような勝ち方を理想としているから。ゼロトップをはじめ独特な戦術にこだわるのも、そうした勝ち方をするための最善の方法であると信じているからだ。

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