久保建英を発掘 元バルサアカデミーダイレクターの新潟監督が語る19歳レフティーの“未来予想図”

「久保はまだ若い。経験を積んで成長するしか打開する方法はない」

 久保は2019年夏、バルセロナと並ぶ世界的名門のレアル・マドリードと契約した。スペイン挑戦1年目は、レンタル先のマジョルカでリーグ戦35試合に出場して4得点4アシストを記録。さらなる成長が期待された今季は、期限付き移籍したビジャレアルでシーズンをスタートするも、ウナイ・エメリ監督の下で思うように出番を得られず、“再レンタル”となったヘタフェでも現地時間5月16日のリーガ・エスパニョーラ第37節レバンテ戦(2-1)で初ゴールが生まれるまで、我慢の時間を過ごした。アルベルト監督も、「ヨーロッパの高いレベルでプレーすることに正直苦しんでいるかと思います」と見解を述べる。

「久保建英はまだ若い。プレー時間を重ねるごとに経験を積んで成長するしか、打開する方法はないと思います。私は23~24歳までの選手は、まだ成長過程の段階だと認識していて、その年齢までの成長度合い、学習能力、犠牲心が重要になってきます。ただ、将来どのレベルまでたどり着けるか、私には正直分かりません。それは久保建英だけでなく、あらゆる選手の将来性も同様です。(リオネル・)メッシ以外はね。メッシ、(ディエゴ・)マラドーナはやはり唯一無二の存在だと思います。彼らは20歳になる前に、長く活躍し続けるであろうと誰もが予想できるパフォーマンスを見せていました。ただ、それは一世紀の中に1人、2人現れるか、それほど希少価値の高い選手だと思います。

 あの(アンドレス・)イニエスタにしても、19歳の時、世界トップレベルにまで到達すると予想できた人は少なかったでしょう。当初、バルセロナのトップチームで明確には活躍していなかったからです。久保建英以上の才能を持った選手を、私は過去にたくさん見てきました。ただ、彼らが高いレベルで成長を成し遂げたかというと、ほとんどの選手はそこにたどり着けずに消えていきました。逆に、久保建英ほどの才能を持っていない選手たちが、高いレベルでの成功を収めたという例も数多くあります。長距離走、マラソンと同じで、早い段階で先に進んだからといって、最終的に早くゴールにたどり着けるかと言ったら決してそうではなく、様々な浮き沈みがあります。久保建英の今後の成長と成功を心から願っています」

 周囲の予想を上回る成長を久保が遂げるシナリオに期待したいところだ。

※取材はビデオ会議アプリ「Zoom」を使用して実施。

[PROFILE]
アルベルト・プッチ・オルトネダ

1968年4月15日生まれ。スペイン・カンブリス出身。名門バルセロナで育成部門のトップとして長年在籍し、クラブの根幹を築き上げた人物の1人として知られる。選手個々の能力を見極める分析力に長け、モチベーターとしてのアプローチも絶妙。米MLSニューヨーク・シティのヘッドコーチを経て、2020年シーズンよりJ2のアルビレックス新潟で指揮を執る。

(Football ZONE web編集部・小田智史 / Tomofumi Oda)


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