久保建英を発掘 元バルサアカデミーダイレクターの新潟監督が語る19歳レフティーの“未来予想図”

バルセロナの下部組織でプレーをしたMF久保建英【写真:Getty Images】
バルセロナの下部組織でプレーをしたMF久保建英【写真:Getty Images】

久保の特徴は“日本人っぽくない”自由なスタイル

 日本人っぽくない――。アルベルト監督は、その言葉に込めた真意をこのように説明する。

「日本では、個性を発揮するのが苦手な人が多い印象です。命令に従うことをよしとし、『右に行け』と言われたら、右に行くのが当たり前だと思って行動に移すと思います。一方でスペインでは、『右に行け』と言われたら、多くの人間が左に行きます(笑)。久保建英もスペイン人と同じように、自由にプレーするような選手でした。それは決して悪いことではなく、パーソナリティーがあるというか、自分で決断して行動しているという意味では、サッカーの世界においてはプラスだと思います。バランス良く、時には『イエス』、時には『ノー』と異議を申し立てることが成長には重要になってきますから」

 バルセロナのラ・マシアは、久保が入団当初に所属したアレビン(A~Dチーム/11~12歳)以降、インファンティル(A・Bチーム/13~14歳)、カデーテ(A・Bチーム/15~16歳)、フベニール(A・Bチーム/17~19歳)とカテゴリーが設定されている。シーズンやカテゴリーによって違いはあるが、アルベルト監督によれば、ひと学年およそ20人で編成され、シーズンが終わるたびに5人ほどの入れ替えが行われる。それが10人の時もあれば、さらに少人数の場合もあるという。そんな狭き門を久保が生き残れた理由に、アルベルト監督は「競争力」を挙げる。

「久保建英の(プレーの)クオリティー、そして小さい頃から持っていた競争力が大きかったと思います。ただ、彼は13歳までしかスペインにいませんでした。プロで求められる競争力が育まれる時期は、16~21歳くらいまでだと私は考えています。15歳以下は、競争力が磨かれるカテゴリーではないと思います。そういう意味では、(19歳である)今の彼の年代こそ、勝負にこだわる気持ちをさらに成長させる絶好のチャンスです」

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