ミランが認めた! 920億円での売却に向けて中国企業に独占交渉権を与えたと発表

公式テレビ番組で交渉の事実を認める

 ACミランの公式テレビ番組「ミランチャンネル」が、中国企業への身売り交渉を認めた。アリババ社の馬雲(ジャック・マー)会長の率いる中国企業に対し、親会社フィニンベスト社の株式70%を7億4000万ユーロ(約920億円)で売却する独占交渉権を与えることを発表した。

 交渉期間は6月15日までとなっており、ベルルスコーニ一族はこの期間、中国企業との交渉のみ行うことになる。ベルルスコーニ一族と中国企業の双方に対して、交渉打ち切り時には違約金などは発生しない内容になっている。

 10日の午前11時ごろからスタートしたミランの親会社フィニンベスト社の会議では、シルビオ・ベルルスコーニ会長の他、一族のバルバラ・ベルルスコーニ取締役も電話で参加。満場一致で、アリババ社の馬雲会長ら中国企業への株式70%を売却する独占交渉権を与えることで合意したという。

 今季はベルルスコーニ会長のミラン買収から30周年だった。イタリアの大手メディアグループ「メディアセット」の買収やイタリア首相も務めた名物会長は、これまで私財を投じチームを強化。ピッチ上の栄光ともに、欧州屈指の政治力と影響力を持つクラブへと成長させてきた。しかし、2012年夏にスウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチ、ブラジル代表DFチアゴ・シウバをパリ・サンジェルマンに売却後から補強や監督人事での失敗が続いていた。私財の投入をストップする一方、ライフワークの現場介入には積極的で、サポーターは激怒。「シルビオ、売れ!」とサン・シーロで身売り要求の大合唱が起きていた。そして2015年は100億円以上の損失を計上し、台所事情は火の車だった。

 秒読み段階に突入している”チャイナ・ミラン”誕生となれば、地元メディアは首脳陣が一新されるとレポートされている。ベルルスコーニ会長は名誉職に退き、娘のバルバラCEOは相談役にシフト、アドリアーノ・ガリアーニCEOは解任されると予想されている。そして中国人オーナーがやって来ることで、今季1得点3アシストながら、アジア市場の旗頭として貢献してきた日本代表FW本田圭佑に、来季ミランでの居場所はあるのだろうか。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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