忙しない「修理屋」から不動心の「考える人」へ レスター旋風を導いた指揮官、ラニエリの64歳で見せた成長とは

主力を信じ抜き、固定したラニエリ監督采配

 プレミア初優勝を遂げた“ミラクル・レスター”ブームはとどまるところをしらないが、チームを率いるクラウディオ・ラニエリ監督が自身の異名で修理屋を意味する「ティンカーマン(Tinkerman)」から「Thinkerman(考える人間)だ」と改名をアピール。システム変更を多発した過去の自分と決別し、主力を信じ抜いた思慮深さを見せた自分自身の成長に自信を浮かべている。英衛星放送局「スカイ・スポーツ」が報じている。

 クラブ創立132年目でのプレミア制覇を果たしたラニエリ監督は7日の本拠地最終戦エバートン戦を控えた記者会見でこう語った。

「私は“考える人”なんだ。“ティンカーマン”ではなくてね」

 現在64歳のイタリア人指揮官はバレンシア、チェルシー、ユベントス、インテルなど欧州各国の強豪で采配を振るった。バレンシア時代にはスペイン国王杯を制覇したが、30年間の指導者人生でトップリーグでの優勝はできず。特には2000年から04年まで指揮したチェルシーでは選手陣容やフォーメーションを27回も変えた。忙しない采配と修正の連続から「修理屋」の意味を持つティンカーマンと呼ばれるようになった。

 しかし、レスターではこれまでの采配スタイルから一転し、FWジェイミー・ヴァーディ、MFリヤド・マフレズ、FW岡崎慎司ら主力を信じ抜いた。レギュラーを固定し、堅守をベースとした4-4-2システムから繰り出される高速カウンターで、あれよあれよと勝ち点を積み上げていった。

「私はビッグネームを望んでいない。レスターの選手たちはスペシャルで、皆が同じスピリットを持たなければならないからだ」と信じ抜いたイレブンの団結心を強調した指揮官は、 「プレミアリーグを獲得するためには、レスターには特別以上のものがあった。ファンタスティックな選手たちとともにね。本当に信じられないよ」と語った。

 

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