今野泰幸が衝撃を受けた2人 日本代表に足りない“ピース”は「怖さ」【森保JAPANを考える】

日本代表が抱える課題は何か語った元日本代表MF今野泰幸【写真:Getty Images】
日本代表が抱える課題は何か語った元日本代表MF今野泰幸【写真:Getty Images】

【不定期連載|第2回】今野泰幸(ジュビロ磐田):個の打開力の必要性を熱弁

 カタール・ワールドカップ(W杯)に向けて日本が抱える課題は何か――。森保一監督率いる日本代表に迫る「森保JAPANを考える」の第2回は、2010年南アフリカ大会と14年ブラジル大会で2大会連続W杯出場を果たした元日本代表MF今野泰幸。昨年は新型コロナウイルスの影響もあり欧州で4試合(2勝1分1敗)を行ったのみで、3月にはW杯アジア2次予選も再開。勝負の最終予選に向けて、今野は日本代表の決定力を高めるため“香川級”の打開力向上を提言した。(取材・文=Football ZONE web編集部・小杉 舞)

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「結構見ていますね」

 今野は開口一番そう語った。自身が経験豊富なだけではなく、海外サッカーにも精通する今野は森保ジャパンの試合を欠かさずチェックしている。そのなかでも感じていることがあるという。

「なんでもできるオールラウンダーが多いという気がする。何をやらせても上手いし、そこそこやるし、シュートもポストプレーもまあまあ上手いし、守備も頑張るし……という選手が多いかな。ただ、欧州でバリバリやっている世界のセンターバック(CB)相手では、なんとなく、まあまあ上手いでは(点が)取れないですよね。それをチームとしてのやり方でなんとか崩す。ストライカーの前の段階で崩して点を取るのか、個でも点を取り切る力は大事だと思う。俺もCBをやっていて、ペナルティーエリア内で仕掛けられるのが一番怖い。エリア内で前を向かれて仕掛けられたらファウルになるかもしれないし、そういう選手が嫌だった。前を向いて点を取るような選手は出てきてほしいなと思う」

 では、今の日本代表に前を向いて仕掛ける選手はいるのか。今野は「(キリアン・)ムバッペ(笑)」と冗談交じりに話しながら、MF久保建英(ヘタフェ)、MF堂安律(ビーレフェルト)、MF南野拓実(サウサンプトン)の名を挙げた。

「久保くんも、南野くんも。堂安だってゴリゴリいけるし、それを代表戦でも見せてほしい。代表戦だったらパッと集まってパッと試合するから、連係面とかを大事にしてキレイにやろうとするので、難しい。キレイにやることも連係で崩すことも大事だけど、我を持って1人でいってしまうとか、ミスしても切り替えて次、というのが欧州では普通のサッカー。久しぶりの1試合だったとしても、前を向いて個で打開してしまうような選手を見てみたいですね」

 森保ジャパンを支える若手たちは、それぞれ欧州で壁にぶち当たりながらもカタールW杯では主力として期待される。ロシアW杯後、森保ジャパン立ち上げ当初はエネルギッシュな攻撃陣にワクワクした。“我”を出すことが、世界と戦うために必要な一つだと今野は確信する。

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