「ダイレクトプレーは罪ではない」 英記者が“リアリスト”に徹した日本の戦いを称賛
南米強豪アルゼンチンとの再戦に3-0快勝、林の先制点のシーンを高く評価
東京五輪世代のU-24日本代表は29日、U-24アルゼンチン代表との国際親善試合2連戦の第2戦に臨み、3-0と勝利を収めた。南米予選1位の強豪との“再戦”に快勝した一戦を、海外記者はどのように見たのか。かつてAFC(アジアサッカー連盟)の機関紙「フットボール・アジア」編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、20年以上にわたってアジアサッカーを追う英国人記者のマイケル・チャーチ氏が、ロングボールとセットプレーで強豪を下したチームを絶賛。「ダイレクトプレーは罪ではない」と、リアリストに徹した日本の戦いを評価している。
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ダイレクトプレーは罪ではない。時に最終ラインからファイナルサードへ放たれる素早いボールや、セットプレーが勝敗を分けることはしばしばだ。
日本における純粋なサッカーファンの多くは、ジョゼップ・グアルディオラのような監督に心酔している。ロングボールやセットプレーでのゴールは、サッカーの美しさや価値とはかけ離れているという議論にすら発展することもある。だが、ポゼッションで圧倒するだけでなく、カウンターやセットプレーでゴールを奪えるとすれば、チームとしては勝機を増やすことになる。
U-24日本代表は北九州で行われたアルゼンチン戦で、リアリストと呼ぶべき鮮烈なクオリティーを示し、東京五輪の金メダル有力候補相手に驚きのパフォーマンスを見せた。
両軍ともに初戦から大幅にメンバーを変更した。この日のパフォーマンスから、日本のこの世代のセカンドチームと目されたチームは、東京五輪代表の現時点のトップチームよりも強いという議論が生まれてもおかしくはないだろう。
世の中の注目は久保建英のプレーにあり、彼が日本の感銘的なプレーの中心だったことは疑いようもない。ドリブルや技巧だけではなく、セットプレーの才能が際立った。2点目と3点目は久保の決定的なキックから生まれた。この日のトップパフォーマーの1人となった板倉滉の容赦ない2得点を創出した。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。