遠藤航の少年時代…恩師が語る“デュエルマスター”の原点 「一番上手い部類ではなかった」【ルーツを辿る】

表彰状を持つ遠藤航(左から2人目の日本代表ユニフォーム)【写真提供:クーバー・コーチング・ジャパン】
表彰状を持つ遠藤航(左から2人目の日本代表ユニフォーム)【写真提供:クーバー・コーチング・ジャパン】

遠藤が恩師に語っていた自身の将来像「最後はプレミアに行きたい」

 遠藤は今季のブンデスリーガで、リーグ1位のデュエル勝利数を誇る。日本代表としても、昨年11月に行われた国際親善試合パナマ戦(1-0)で前半は苦戦を強いられるなか、ハーフタイムに投入された遠藤の活躍でチームを勝利に導いたことは記憶に新しい。今では森保ジャパンの欠かせないピースとして成長した遠藤だが、当時からコツコツと堅実に努力を積み重ねてきたからこそ今がある。寺尾コーチも実感している。

「我々としても、まさか航がここまで来るとは思っていなかった。航と同じスクールに通っていて、違う小学校だった田中進之介くんという子がいて。彼はフットサルで全国大会に出てナショナルトレセンにも選ばれていて、上手かった。その後、進之介はベルマーレユースで航と一緒だったけれど、後で進之介に聞いたら『高校の時は航にかなわなかった』と。ポジションも一緒で『彼がいたから僕はあまり出られなかった』と言っていて、凄まじい努力をしたんだなと思う」

 現在も遠藤と親交がある寺尾コーチ。シント=トロイデンに所属していた時、遠藤と将来の話をしたことがあるという。

「当時、『将来どうしたいの?』と聞いたら、『ブンデスに行きたいし、最後はプレミアに行きたいと思っている』と明確な答えが返ってきた。設計をしっかりしているんだな、と。今はしっかりブンデスで活躍しているし、プレミアでも活躍できる日が来ると思う。あと、40歳までプロでやりたいとも言っていましたね」

 大きな飛躍を遂げ、絶対的な存在にまで上り詰めた27歳MF。ドイツの屈強な相手でも激しい球際の勝負で勝てるのは、幼い頃から自身の特徴をとらえて堅実にプレーと向き合ってきたから。コツコツと自分自身の手で“ダイヤの原石”を磨き上げてきたからこそ、遠藤少年は光り輝く未来を掴み取ることができた。

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