英雄パク・チソン、Kリーグで活動へ 欧州での経験“還元”に母国注目

かつてマンチェスター・ユナイテッドや韓国代表で活躍をしたパク・チソン【写真:Getty Images】
かつてマンチェスター・ユナイテッドや韓国代表で活躍をしたパク・チソン【写真:Getty Images】

全北現代のスポーツディレクターに 「アドバイスする仕事を“非常勤”で受け持つ」

 元韓国代表MFパク・チソンがKリーグの全北現代モータースでスポーツディレクターとして活動を開始するという。韓国のスポーツ紙「スポーツ京郷」が報じている。

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 同紙は「パク・チソンは全北現代に合流し、ディレクターの役割を受け持つことになる。昨年から論議が交わされてきた。技術的な部分だけでなく、選手の加入などクラブ運営の全般にわたり、アドバイスする仕事を“非常勤”で受け持つ」と、サッカー関係者の声を伝えている。

 ご存知の通り、パク・チソンはJリーグの京都パープルサンガ(当時/現京都サンガF.C.)を経て、オランダのPSVでプレー。その後、プレミアリーグの名門、マンチェスター・ユナイテッドでプレーし、2005年から2012年まで4度のリーグ優勝を経験。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)も制覇するなど数々のタイトルを獲得した。

 韓国サッカー界を牽引した“英雄”として知られ選手としての実績は申し分ないが、現役を退いた後に何をするのかが、必ずと言っていいほど話題になってきた。2016年からは「Kリーグの運営に携わることを視野に」イギリスのレスターにあるデモントフォート大学に入学し、スポーツマネジメントを学んだ。

「パク・チソンは、イギリスでサッカーのフロント業務について学び、クラブに関わる仕事に携わる夢を育んできた。2016年9月から17年7月まで、FIFAマスターコース過程を経て、同年11月から大韓サッカー協会でユース戦略本部長としてサッカー“行政家”としての第一歩を踏み出した」

 ただ、当時はイギリス在住ということもあり、協会の本部長としての仕事は1年で終えていた。そうした意味では、今回の全北現代でのディレクターのポジションは、パク・チソンが描いていた夢への第一歩になるのだろう。

 パク・チソンは過去にKリーグで一度もプレーしたことがないが、こうして運営側として携わることで、リーグ全体に様々な効果が出てくると期待している。

「全北現代の立場としては、パク・チソンの加入は好材料だ。約10年間も欧州の舞台でプレーし、先進のサッカーシステムを経験した彼のアドバイスは、アジアの名門クラブとして飛躍を夢見る全北に大きな力になるだろう。また、Kリーグの興行にも肯定的に作用すると見られる」

 アジア屈指のクラブで、パク・チソンがチームのディレクターとしてどのような手腕を発揮するのか――。欧州との強いパイプと知識を生かした中長期的な強化が、これからの全北現代の基盤となるのか注目したい。

(金 明昱 / Myung-wook Kim)



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金 明昱

1977年生まれ。大阪府出身の在日コリアン3世。新聞社記者、編集プロダクションなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めた後、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。2011年からは女子プロゴルフの取材も開始し、日韓の女子ゴルファーと親交を深める。現在はサッカー、ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。近著に『イ・ボミ 愛される力~日本人にいちばん愛される女性ゴルファーの行動哲学(メソッド)~』(光文社)。

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