「第2の三笘」は生まれるのか? 筑波大恩師・小井土監督に訊くタレント育成論

「ポストユース」のサポート体制に危惧 「本気で強化しないといけない」

 今後もプロで大成する有能なタレントが大学から輩出される可能性は大いにある。一方で「ポストユース」と言われる18歳以降の育成に関しては、盤石な体制が整っているわけではない。世界を見渡せば、ノルウェー代表FWアーリング・ブラウト・ハーランド(ドルトムント)のように20歳にして欧州のトップレベルで活躍する現状がある。小井土監督は三笘の活躍に喜びを感じつつも、危機感を込めて言った。

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「大学4年間を経て日本で活躍し始めても世界のマーケット的には遅いわけで、日本サッカー界全体のことを思えば、ポストユースのところを本気で強化しないといけない。選手としての能力も高めつつ、勉強もする場がある大学の環境というのは日本の良いところだと思うので、今までの良さプラス、もっと選手としての能力を高めるために何かできないかというのを、大学とクラブ、協会も含めて、協力してやっていくべきなんだろうなと思います。大学からプロの選手がたくさん出て『凄いだろ』ではなく、Jユースや高校からトップに入った選手がなぜ思ったほど伸びなかったのかを本気で考えてあげるというか、そういう作業が必要なんだと思います」

 収穫と課題の両面に向き合いつつ、小井土監督は今後も、大学のステージから日本サッカー界の未来へ光を照らす。

[プロフィール]
小井土正亮/1978年4月9日生まれ、岐阜県出身。各務原高校から筑波大へ進学。蹴球部でのプレーを経て、卒業後は筑波大大学院に通いつつ水戸ホーリーホックでプレーした。現役を1年で引退し、その後は02年の大学院修士2年次より蹴球部のヘッドコーチに就任。大学院修了後は04年に柏レイソルのテクニカルスタッフ、05年から10年まで清水エスパルスのアシスタントコーチ、13年にはガンバ大阪のアシスタントコーチを歴任。14年より筑波大学体育系助教となり、蹴球部ヘッドコーチを経て、同年途中から監督に就いた。

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