「すべてのトレーニングに意図がある。偉大なコーチ」

　一方、ファーガソン氏がかつてしのぎを削った名監督を引き合いに出して、続けた。

「シティはペップを獲得するという変革を実行したが、イングランドのサッカーは簡単ではない。過去にイングランドに来た外国人監督を思い浮かべればわかるだろう。それはアーセン・ベンゲルも、ジョゼ・モウリーニョもプレミアで戦い始めて、数カ月後に口にしていたことだ」

　グアルディオラ監督が現在指揮を執るバイエルンはブンデスで図抜けた戦力を誇るが、プレミアではシティにユナイテッド、そしてチェルシーやアーセナル、リバプールなどの潤沢な資金力を誇る強豪が居並ぶ。また今季優勝争いを繰り広げるレスターとトットナムも力をつけている。その中でいかに早くチームにスタイルを授けられるかが、カギと名伯楽は見ている。

「私の頃もチェルシーにジョゼ（モウリーニョ）が現場にやってきた。彼は最初の2年間ですぐさまチームを構築し、私は彼らの挑戦を受け入れなければならなかった。それはシティにも当てはまるはずだ。チーム構築の段階でアーセナルやリバプールなどの強豪クラブに挑戦しなければならない。シティは野心を持っているだろうが、それだけでリーグ制覇を成し遂げられる保証はない」

　百戦錬磨のスコットランド人指揮官が「これこそ我々のリーグの美徳だ」と語る群雄割拠のプレミアリーグ。名将の誉れ高いグアルディオラ監督はバルセロナ、バイエルンに続く大成功をシティで収められることができるのだろうか。

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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images