森保ジャパンには「攻撃の原型がない」 チームの狙いを示す「言葉」の少なさを金田氏が懸念

日本代表の森保一監督(右)【写真:Getty Images】
日本代表の森保一監督(右)【写真:Getty Images】

【金田喜稔の視点】メキシコの“変化”に対応できず0-2敗戦 欧州遠征4試合で流れのなかからノーゴール

 日本代表は現地時間17日、オーストリア・グラーツで国際親善試合メキシコ戦に臨み、0-2で敗れた。後半からスタジアムには霧が立ち込めて視界が悪くなり、試合球がオレンジ色のボールに変わったことも話題となったが、肝心の日本代表の試合内容についてはこれまでも指摘されていた課題が改めて浮き彫りになる結果となった。

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 FIFAランキング11位の強豪を相手に、森保一監督は13日のパナマ戦(1-0)からスタメン9人を変更して4-2-3-1システムを採用。前半は攻勢を仕掛けて決定機を作ったもののゴールを奪えず、後半にメンバーとシステムを変えてきたメキシコ相手に後手を踏む展開となり、後半18分にFWラウール・ヒメネス、同23分にFWイルビング・ロサーノに決められて敗れた。

 かつて“名ドリブラー”としてその名を轟かせ、日本代表で19歳119日の最年少得点記録を持つ金田喜稔氏は、この試合の結果を受けて「チームとしてやらなくてはいけないことを相手にやられてしまう。メキシコはヘラルド・マルティノ監督の戦術を選手がしっかりと形として表現できていた。そうした選手、監督のレベルが、今の日本との力の差として見せつけられた」との印象を抱いたという。

 マルティノ監督自身が試合後に明かし、多くの識者も指摘するとおり、試合の流れを変えたのは後半開始からメキシコがメンバー変更とともに、中盤の底を1枚から2枚に変えてきたことだ。

「前半はメキシコ自体にもミスが多かったが、日本に1ボランチの両脇のスペースなどを使われ、的確に縦パスを入れられていた。それに対応しようと絞れば、両サイドを原口と伊東に使われてしまう。それが嫌だから、彼らはボランチを2枚に変えてきた」

 格上のメキシコが前半に予想以上の苦戦を強いられたことで、たまらずに先に動いてきた。これを受けて日本がどう動くのか――。金田氏は交代策を含めた動きに注目していたが、「ベンチとピッチ上の選手が、試合の状況やチームとしての狙いを共有できているのか」との疑問を抱いたという。

 例えば森保監督は0-0で迎えた後半12分に、MF柴崎岳に代えてMF橋本拳人を、FW鈴木武蔵に代えてMF南野拓実を投入しているが、そこにチームとしてのメッセージ性は感じられなかったと金田氏は振り返る。

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