森保ジャパンには「攻撃の原型がない」 チームの狙いを示す「言葉」の少なさを金田氏が懸念

「森保監督から与えられる“言葉”が少ないのではないか」

「2点を奪ったメキシコが引いて守備を固めてきた時に、背後を狙おうとしても難しい。その状況で試合終盤に投入された浅野(拓磨)は、本当に守勢に回ったメキシコに対して有効な選手だったのか。あるいは高い位置でキープができて、ラストパスの“出し手”になれる鎌田(大地)をベンチに下げるべきだったのか。そして、その采配をした際に森保監督はどんな言葉で選手に指示を与えていたのか。

 攻撃におけるチグハグな部分が見えてしまう以上、森保監督からチームに与えられる『言葉』が少ないのではないかと思ってしまう。みんなが理解して即座に動けるような、チーム全体の方向性を示すキーワード。サッカーが相手ありきのスポーツである以上、戦況に応じて監督から与えられる『言葉』は重要だ。来年に再開されるワールドカップ(W杯)予選を考えても、この点は懸念点であり、レベルアップを求めたい」

 中断しているカタールW杯アジア2次予選は、来年3月から再開されることが発表されている。果たして森保監督は、W杯予選を戦いながら課題の攻撃面を改善できるのか。2019年アジアカップ決勝でもカタールの策略の前に後手を踏み、1-3で敗れている日本。アジア強豪との勝負となる最終予選に向けて、チーム力を高められる時間は少ない。

[PROFILE]
金田喜稔(かねだ・のぶとし)

1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

(FOOTBALL ZONE編集部・谷沢直也 / Naoya Tanizawa)



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