“ミシャレッズ”の完成形を見た華麗弾 バルサ彷彿のパスワークから沈めた興梠慎三の一撃

興梠が持つ“個人の力”を目の当たりにした2018年の反転ボレー

 このゴールを決めた興梠は、13年に加入してからクラブの歴代ゴール記録を塗り替えるなど、名実ともに“浦和のエース”として名を残している。彼の個人能力、身体能力や瞬時のひらめきといった天才性を目の当たりにしたゴールを挙げるなら、18年7月2日のセレッソ大阪戦のものだろうか。

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 武藤の右コーナーキックをファーサイドの45度付近でファブリシオがヘディングで競り勝つと、シュート性のボールがGKとの間に入っていた興梠のもとへ。このボールに右足で反応した興梠はトラップで自分の前にボールを浮かせると、そのまま反転して左足ボレーを突き刺した。全てがノーバウンドのまま、一瞬の出来事だった。

 このゴールを長居陸上競技場の記者席で見ていた私は、思わず声を上げた。ただ、とんでもなく難しいゴールを決めたはずの本人は、淡々と周囲の喜ぶチームメートに囲まれるだけ。そんな落差もまた彼らしかったと感じたところまで記憶に残る。

 近年の浦和は、ルヴァンカップ、天皇杯、AFCチャンピオンズリーグといったカップ戦でタイトルを獲得しているが、リーグ戦では頂点に届いていない。06年の初優勝から近くて遠い2回目を待ち望んで14年、今度はそのタイトルをつかみ取るゴールが語り継がれるものになって欲しい。

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