日本サッカー界の“コロナ対策”は適切なのか? 外国人記者が指摘「驚くべきことに…」

もし拙速なリーグ再開が検討されることがあれば…「日常に戻ることを拒否すべき」

 スポンサーからのプレッシャーがあったであろうことは理解できるし、DAZNで練習試合の中継があったことは、何かしらのアクションに飢えていたサッカーファンからは感謝されただろう。だが、選手や指導者、そしてスタッフに健康上のリスクを負わせてでも開催するべきではなかった。

 確かに日本社会全体としても明確な措置が取られる前だったことも理解はできるが、これも言い訳にはならない。

 世界各国では直ちに外出禁止措置が取られ、そうした国ではすでにウイルスの拡散を抑え始めている。例えばニュージーランド、オーストラリア、そして韓国では広く検査を実施し、旅行もほぼ完全に禁止された。他者との接触も事実上、家族のみに限られている。

 それに対して日本政府の対応は不安を拡大させる残念なものだ。週末の外出自粛、パチンコ、カラオケ、2枚のマスク…。五輪の延期決定後に感染者数が増加していることも含め、決定的な遅れが政府への不信感を増大させている。

 ならば、国民が政府に疑問を抱くように、サッカーファンもなぜ選手や指導者たちがウイルス感染のリスクに晒されつつも、何事もなかったかのようにトレーニングと練習試合を続けなければいけないのか、疑問を呈すべきだ。世界を見渡して何が起こっているのかを見れば、迅速な対応を怠ったことにより、大災害が日本に降りかかる可能性に気付くだろう。

 サッカーは社会の一部であり、今後数週間にわたって予想される感染者の増加による影響を受けることになる。今こそサッカーがいつ、どのようにして戻ってくるのかを考えるべきだろう。

 6月上旬にリーグ再開するというのは楽観的に過ぎる。もしJリーグが新型コロナウイルスの脅威が過ぎ去る前に6月上旬の再開を目指そうとするのなら、選手とスタッフは完全に解決するまで日常に戻ることを拒否すべきだ。

 彼らのため、彼らの家族のため、そして日本の未来のために。

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スコット・マッキンタイヤー

東京在住のオーストラリア人ジャーナリスト。15年以上にわたってアジアサッカー界に身を置き、ワールドカップ4大会、アジアカップ5大会を取材。50カ国以上での取材経験を持ち、サッカー界の様々な事象に鋭く切り込む。

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