名手ピルロ、指導者としての成功を元ユーベ同僚が確信 「唯一無二の存在である」
ユーベで共闘したマトリがピルロを評価 「指導者として早く練習を始めたいと言っていた」
かつてイタリア代表でワールドカップ(W杯)優勝の原動力となり、中盤の“マエストロ”と称されたアンドレア・ピルロ氏は、新シーズンから指導者として古巣ユベントスのU-23チームを率いると現地で報じられている。本人がその噂を否定したと伝えられる一方、元同僚ストライカーはイタリア紙「トゥット・スポルト」に、成功を確信する言葉を残している。
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ピルロ氏は若くして強豪インテルでプレーしたが、出場機会を得られずブレシアへ移籍。そこでは元イタリア代表の“ファンタジスタ”であるロベルト・バッジョ氏とホットラインを形成し、線の細いトップ下のイメージから中盤のコンダクターとして新たな一面を見せた。そのスタイルはACミランで確立され、イタリア代表やユベントスでもすべてを支配するようなプレーを見せつけた。
米MLS(メジャーリーグサッカー)のニューヨーク・シティでのプレーを最後に2017年限りで現役を離れ、しばらくは衛星放送局でのコメンテーターなどを務めていたが、来季からユベントスのU-23チームで監督を務めることが濃厚と伝えられている。セリエC(3部)を戦うチームで、指導者としての経験を積む方針だ。
ピルロ氏とユベントスでともにプレーした元イタリア代表FWアレッサンドロ・マトリは、「ピルロはユースチームやユベントスU-23からであったならば、バルセロナでのグアルディオラの足跡をたどることができると思う。私はアンドレアから、指導者として早くトレーニングを始めたいという大きな欲望を聞いている」と明かす。
名前が挙がったジョゼップ・グアルディオラ監督(現マンチェスター・シティ監督)は、現役引退後に古巣バルセロナのセカンドチームで指導者の経験を積み、その後にトップチームを指揮。今では世界的な名将として名を馳せる。その共通点は、ピッチ中央にいながら上空から見ているような視野でパスを通し、ゲームメイクをしてきたこと。いきなりトップチームのプレッシャーがかかる場所ではなく、世代別のチームからのスタートは同様の成功を期待させると元同僚は話している。
一方で「彼は指導者に必要な要素をすべて兼ね備える」と話すマトリは、注意点として「指導されたからといって彼と同じレベルの選手が出てくると考えないこと。ピルロは唯一無二の存在であるから」と、周囲に過度な期待を持たないことを挙げた。
一時はイタリア代表のロベルト・マンチーニ監督も、アシスタントコーチとしてのサポートを期待していたが、衛星放送局との契約でそれは叶わなかった。しかし、ピルロ氏が作り上げるチームや育成する選手がどのような活躍や存在感を見せるのかは、大きな興味の的になっている。