フリット氏がマンU・ファンハール監督の3-4-1-2システムを酷評 4-2-3-1に移行ならば香川にはチャンス?

 英国営放送BBCのサッカー番組「マッチ・オブ・ザ・デイ」に登場した元オランダ代表のエースで、チェルシー監督を務めたこともあるルート・フリット氏は「ファンハールは大変な仕事を手に入れた。プレミアリーグは異質だ。試合を見て、ユナイテッドの選手がどのポジションにいるべきか悩んでいる様子が目についた」と話している。
 ブラジルワールドカップでオランダ代表を3位に導いた後、マンUの新監督に就任したファンハール監督は米国で行われたギネス・インターナショナル・チャンピオンズカップで優勝を果たすなど、プレシーズンマッチ無敗で公式戦に突入したが、迎えた本番で苦杯をなめた。豊富なキャリアを誇るファンハール監督自身初となるプレミアリーグ初戦で、選手がポジショニングに戸惑いを見せながら戦っていたことをフリット氏は手厳しく指摘している。
「ろくなディフェンダーのいなかった我がオランダ代表で3-5-2システムで戦うことは必然だった。もしも、スウォンジーの選手なら、あのラインナップを警戒するだろうか?」
 守備力に不安があったオランダ代表では守備時には5バック気味でスペースを消し、バイエルンMFアリエン・ロッベンを中心とした高速カウンターを狙った。だが、昨年7位に終わったとはいえ、マンUはマンU。しかも、ホームで本来格下ともいえるスウォンジーを相手にディフェンシブにも見える戦術を敷いたことに対し、フリット氏は違和感を覚えたようだ。
 実際に後半開始時にメキシコ代表FWハビエル・エルナンデスとポルトガル代表FWナニを入れ替え、フィル・ジョーンズとアシュレー・ヤングをサイドバックにシフトする4-2-3-1システムに変更した後、攻撃は活性化した。
 ファンハール監督が米国遠征中に定番にすると明言していた3-4-1-2システムに今後もこだわるのか。それとも、1試合で見切りをつけるのか。
 ベンチ入りしたMF香川真司に出番は訪れなかった。香川に3-4-1-2システムのウイングバックの適性を求めるのは難しいが、4-2-3-1システムになれば、1トップ下の攻撃的MFの出場枠は1から3に広がる。初戦で痛恨の黒星スタートとなった戦術家の今後の一手に注目したい。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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