“バルサの模倣者”を食い尽くすリバプール 黄金期ミランの進化系…戦術は転がりながら前に進む

そのうちリバプールの模倣者が次の波にさらわれていく

 攻撃が優勢になったら、次には守備が優位になる。ただ、同じようなことを繰り返しているようでいて、やっぱり前には進んでいる。リバプールのプレスは、かつてのミランのそれとは違っていて、元に戻っているわけではない。戦術は回りながらも、転がるように前に進んでいるのだろう。

 プレッシングのミランが登場してきた時は衝撃的だった。ゆっくりとパスをつないで組み立てていこうとする古典的で技巧的なチームは、ことごとくミランのハイプレスに食い尽くされていた。だが、そのミラン方式のプレスが世界的に普及した頃、今度はスペイン代表とバルセロナが規則的な守備戦術の隙間を突くパスワークで、ミランの追随者たちを総ナメにしてしまう。

 今は、バルサの戦術をようやく吸収したチームがリバプールのカモにされている。そして、そのうちリバプールの模倣者が次の波にさらわれていくのだろう。

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(西部謙司 / Kenji Nishibe)



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西部謙司

にしべ・けんじ/1962年生まれ、東京都出身。サッカー専門誌の編集記者を経て、2002年からフリーランスとして活動。1995年から98年までパリに在住し、欧州サッカーを中心に取材した。戦術分析に定評があり、『サッカー日本代表戦術アナライズ』(カンゼン)、『戦術リストランテ』(ソル・メディア)など著書多数。またJリーグでは長年ジェフユナイテッド千葉を追っており、ウェブマガジン『犬の生活SUPER』(https://www.targma.jp/nishibemag/)を配信している。

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