東福岡を二冠に導き宙に舞った指揮官 2年越しで果たされた選手との約束

インターハイ連覇も森重監督は選手の胴上げ提案を固辞

 第94回全国高校サッカー選手権で優勝を果たした東福岡高校(福岡)の森重潤也監督が、埼玉スタジアムの青空に高らかに舞った。

 國學院久我山高校(東京A)との決勝で5-0の勝利。選手権17年ぶりの優勝でインターハイとの夏冬二冠を達成した指揮官は、選手たちの手によって胴上げされた。これは選手との間で交わされた約束だったという。

「昨年(優勝した2014年度の)インターハイで選手たちが胴上げをしてくれようとした。でも、それだけではない。選手権も絶対に取れるチームだと信じて、昨年(14年度の)選手権に臨んだ。胴上げをお預けの状態にした。今年も(15年度の)インターハイで(優勝をしても)胴上げをせずに、選手権という最高の舞台で胴上げしてほしいと考えていた。今日も健人(主将のMF中村)に『いつ胴上げしてくれるんだよ』と言っていた。胴上げが叶ったことが、自分としても嬉しかった。宙に舞った時は最高の気分だった」

 優勝後の記者会見で、指揮官は朴訥な言葉に喜びをにじませた。昨年度のインターハイ優勝時には選手権での優勝を期し、生徒からの胴上げ提案を固辞した。だが、昨年度大会では静岡学園を相手に3回戦で敗退。願いは叶わなかった。そして、今年度のインターハイで見事に連覇を果たしたが、この時も胴上げを封印していた。

 

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