Kリーグ日本人“成功例”の共通点とは? 韓国人代理人が明かす条件「どこに行っても…」

代理人を務めるキム・ドンヒョン氏(左)とクラウディオ・レイナ氏(元ニューヨーク・シティFCのGM)【写真:Football ZONE web】
代理人を務めるキム・ドンヒョン氏(左)とクラウディオ・レイナ氏(元ニューヨーク・シティFCのGM)【写真:Football ZONE web】

「外国人だけど、外国人じゃない」 Kリーグ経験者たちが語った共通見解

 さらにトライアウトは普段のチームと違い、ほとんどの選手とは“ぶっつけ本番”でプレーしなければならない。連係面の不足などは言うまでもなく、ほぼ初対面の味方に要求をぶつけていく難しさもある。対戦相手に強く当たりに行くにしても、遠慮が出てしまえば“球際の弱さ”として映ってしまうだろう。だが、見知らぬ土地での挑戦に向かうのならば、そうしたシチュエーションでも強いメンタルを持って戦わなければならない。

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 実際、キム・ドンヒョン氏がトライアウトで声をかけたのは、「そこで遠慮しなかった1人」とのこと。日本では才能を発揮し切れなくても、確かな基礎技術を持ち、メンタルとフィジカルの素養さえあれば、韓国で名を挙げるチャンスはある。それは邦本と西が証明したことでもあり、韓国で日本人選手の技術が重宝されていることもプラス要素だ。

 実際に韓国でプレーしてきた日本人選手たちともインタビュー等で接してきたキム・ドンヒョン氏は、「面白いのは、みんな同じことを言うんです」として、Kリーグにおける日本人選手の“立ち位置”と求められる要素を語った。

「日本人選手は外国人だけど、外国人じゃない。見た目は変わらないし、隣国だし、クラブとしても通訳を付けずに放っておくにもかかわらず、求められる成績は助っ人のように言われると。そこに対する自分の気持ちをしっかりしないと、上手くいかないということを言っていました。本当にそのとおりだと実感します。だからこそ、そういう気持ち。どこでもいいから己の力を見せるという選手が欲しいところです」

 まだKリーグは日本人にとってメジャーな“行き先”とは言えないが、日本では芽の出なかった才能がタフな環境で磨かれ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)などで日本に名を轟かすという流れは今後増えていく可能性もある。キム・ドンヒョン氏のような日韓両国をよく知る人物のサポートの下、1人でも多くの選手が本来のポテンシャルを開花させることを願いたい。

(片村光博 / Mitsuhiro Katamura)



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