“ボランチ”原口元気が面白い 強気と献身性に潜むポテンシャル「今すごい勉強している」

中盤で体を張って守備をすることも多くなった【写真:Getty Images】
中盤で体を張って守備をすることも多くなった【写真:Getty Images】

日々ボランチのプレーを研究「守備のポジショニングとかは結構行き過ぎて…」

「僕自身、今すごいそこを勉強していて、週に1回分析ミーティングをしたり。新しいポジションなので、余計そういうことが大事になってくる。 まだまだ勉強しなきゃいけないことがたくさんあるんですけど、勉強したこととか結構ピッチで出たりとか。まだ、たぶん守備のポジショニングとかは結構行き過ぎて、ボールを取りに行き過ぎてちょっと空けちゃうシーンとかもあるので。そこらへんも勉強しながら、でもある程度は表現できているかなと思いますね」

 攻撃面でも貴重な働きを見せる。相手に寄せられても慌てずにボールをキープし、味方へとつないでいく。この日、ハノーファーの同点ゴールは、中盤で上手く相手の背中を取るポジショニングでボールを引き出した原口が、右サイドのMFエドガー・プリプにパスを展開したところから生まれた。

「今までのようにサイドに張っていて裏を取ったりとかというプレーだけじゃなくて、360度からプレッシャーが来ますし。どこが空いているのかっていうのを常に考えながら。そういうのが2点目のアシストだったりとかに出たのかなと思います」

 原口にはインテンシティーの高い動きを何度も繰り返せる持久力、1対1で優位になれる力強さ、プレスを受けながらもブレない技術、攻撃にバリエーションを加えるセンス、そしてチームのために走り続けられるメンタリティーがある。

 今後はさらにゲームコントロール、ボランチにおけるポジショニングの原則を身につけ、様々な試合展開におけるプレーの優先順位を知っていくことが必要になってくるが、今積み重ねているこの経験は、原口の持つポテンシャルをさらに広げる扉になっていくのではないだろうか。

 新境地を開きつつある原口の、今後の成長が楽しみだ。

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(中野吉之伴 / Kichinosuke Nakano)



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中野吉之伴

なかの・きちのすけ/1977年生まれ。ドイツ・フライブルク在住のサッカー育成指導者。グラスルーツの育成エキスパートになるべく渡独し、ドイツサッカー協会公認A級ライセンス(UEFA-Aレベル)所得。SCフライブルクU-15で研修を積み、地域に密着したドイツのさまざまなサッカークラブで20年以上の育成・指導者キャリアを持つ。育成・指導者関連の記事を多数執筆するほか、ブンデスリーガをはじめ周辺諸国への現地取材を精力的に行っている。著書『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)。

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