ベンゼマに浴びせられた皮肉なヤジ 敵地で“ヴァルブエナ”の大合唱

トラブル続きの白い巨人

 レアル・マドリードFWカリム・ベンゼマは、3日の敵地バレンシア戦で後半22分に途中交代した。メスタージャ・スタジアムの観衆からは恐喝容疑で逮捕、起訴された事件の被害者である「ヴァルブエナコール」を受けるという辱めを受けた。
 ベンゼマは前半16分に美しい連係から先制点を奪った。ウェールズ代表MFベイルが華麗なヒールパスをゴール前のポルトガル代表FWロナウドに送ると、これをベンゼマにノールックパス。GKと1対1となったストライカーは冷静にゴールを決めた。
 1-1で迎えた後半22分にFWルーカス・バスケスと交代でピッチを去るベンゼマに厳しいヤジがスタンドから浴びせられた。「ヴァルブエナ!ヴァルブエナ!」。さえない表情を浮かべたベンゼマにとっては“禁句”だ。
 リヨンのフランス代表MFマテュー・ヴァルブエナは、自ら映ったセックステープをネタに恐喝事件の被害者となったが、ベンゼマはこの事件に関する恐喝、共謀容疑でフランス警察当局に逮捕・起訴され、昨年10月の代表合宿中に事件に関与したことを認めている。6月には地元で欧州選手権が開催されるが、事件が解決するまで代表から追放処分を受けている。
 善意の仲介者を主張してきたベンゼマだが、不利な証言や証拠が次々と明らかになっており、有罪となれば懲役5年の実刑判決が下ることになる。
 ベンゼマへの皮肉なヤジはスペインメディアも注目。地元紙「マルカ」も「フランス人はメスタージャで交代時に“ヴァルブエナ、 ヴァルブエナ”の叫び声を受ける」と特集している。
 敵地で恐喝事件をネタにされたベンゼマだが、レアルもMFマテオ・コバチッチが後半25分に危険なタックルで一発退場となり、試合も2-2ドローに終わった。国王杯32強カディス戦で勝利したが、出場停止処分中の選手を先発させて大会失格処分となるなど、トラブル続きの白い巨人。エースストライカーのベンゼマ容疑者は、敵地のサポーターたちのターゲットとなっている。2016年も負の連鎖は続くのだろうか。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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