3回戦敗退の松山工 全国で手にした50年ぶりの一勝と、価値ある道のり

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駒大高に敗れ3回戦で敗退

 松山工高(愛媛)は3日、第94回全国高校サッカー選手権3回戦で駒澤大高(東京)と対戦し、1-2で逆転負けを喫した。71回大会の南宇和以来となる愛媛県勢23年ぶりの準々決勝進出を逃した。
 松山工は2日に2回戦の丸岡(福井)戦で1-1の末のPK戦を制し、選手権では1965年以来の50年ぶりとなる勝利を記録した。そのPK戦では、坂本哲也監督があらかじめキッカーのリストを用意していたが、キャプテンのDF兵頭俊昭が「順番は3年生で決めさせてください。責任はすべて僕が背負いますから」と監督に直訴してきたという。そして、蹴った3人が全員成功させ、歴史的勝利を手にした。
 指揮官は、そうした選手たちの成長ぶりに目を細めてこう語った。
「3年生は本当に自立できている。普段の練習メニューも、『こういう部分が足りないから、こういうメニューを追加してほしい』と言ってくる。こちらの意図を明確に理解しつつ、決してイエスマンにはならなかった。そう言った姿勢を受け入れ、反映することも、監督の仕事だと思った」
 だが、その翌日、駒大高に敗れて大会を去ることになった。坂本監督は「今朝の紙面に『松山工、50年ぶりの歴史的勝利』という言葉が並んでいたが、生徒たちは決して浮かれてはいなかった。自分たちで決めたベスト8という目標を決して見失ってはいなかった」とねぎらの言葉で選手の健闘をたたえた。

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