世界絶賛のスーパーゴールは再現できず初戦敗退も… 輝き放った個性派集団の玉野光南

王者星稜に先制も、惜しくも1-2で逆転負け

 個性派集団が前回大会覇者の前に涙をのんだ。第94回全国高校サッカー選手権は2日に各地で2回戦が行われ、玉野光南高校(岡山県)は前年度優勝校、星稜高校(石川)戦で1-2の逆転負け。初戦で散る結果になった。

 玉野光南は、今大会でも屈指の注目度のあるチームだった。昨年10月31日に行われた岡山県予選決勝で、J1浦和への加入が内定しているMF伊藤涼太郎を擁する作陽高と対戦。延長戦後半アディショナルタイムに、GKから一度も地面にボールを落とすことなくFW土居晃貴が決めたスーパーゴールが話題になった。海外メディアでも「年間ベストゴール」と大きく取り上げられていた。

 全国の舞台でも、玉野光南は個性派ぞろいのサッカーで観衆を大きく沸かせた。圧巻の空中戦の強さを見せた主将DF西中竜斗と左右両足で正確なフィードを蹴るDF塩田晃大のセンターバックコンビに、1試合を通して相手最終ラインと駆け引きを続けたFW土居。そして、1点を追う後半30分に投入されたFW新地猛は、かつてストーク・シティで活躍したロリー・デラップを思い起こさせるような弾丸ロングスローを見せつけた。

 主将の西中は「先制できてうまく進むかなと思ったが、全国は甘くなかった」と悔しさを語った。そして、「2年前に選手権に出た時以上の注目度があり、責任もある。浮き足立たないようにと思って過ごしてきました」と、スーパーゴールで注目を集めてからの2ヵ月間を語った。それでも「今年のチームは個性が強いチームです。一人ひとりの個性を最大限に出せたと思います」と悔しい敗戦にも全てを出し尽くした充実感をにじませていた。

 

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