「サポーターたちがいなければこの瞬間はないし、サッカーはつまらなかった」

　強かったのはサポーターへの感謝の思い――。熱くサッカーと向き合ってきたからこそ感情を露わにすることもあった。19年間を振り返って、常に支え高め合ってきた“存在”に改めて感謝の思いを口にした。

「相手のサポーターを挑発して、自分のサポーターと言い合いしちゃったりとか……言い方悪いですね。ディスカッションをして、時には檄を飛ばし、時には檄を飛ばされ、真剣に向き合ってきた。恐らく僕のことを嫌いだなと言うサッカーファンはいると思いますが、常に勝ちたかった。頭に血が上って申し訳ないこともたくさんした。でもサポーターたちがいなければこの瞬間はないし、サッカーはつまらなかった。だからこそ、最後の1年は全国のサポーターに頭を下げる。すみませんでした、ありがとうございましたと言いたかった」

　自らを奮い立たせて、ラストシーズンとなる今季を過ごしたのは全国にいるサポーターの存在があったから。サッカーを“面白い”と感じさせてくれ、19年間のプロ生活を続けられたのは、勝利を届けたかった人達がいたから。この1年には闘莉王の「男気」が詰まっていた。