最下位ベローナ戦ドローでミランサポーター激怒 サンシーロに鳴り響く「ガリアーニ出て行け!」の大合唱
長年の補強失敗にサポーターが我慢の限界 レジェンドも手腕を批判
本拠地で迎えた今季リーグ未勝利のベローナを相手にした13日のリーグ戦で引き分けに終わった日本代表FW本田圭佑所属のACミラン。前節で昇格組のカルピを相手にスコアレスドローに終わった試合に続く失態にミラニスタの怒りは頂点に達した。サポーターの怒りの矛先はチームの強化責任者であるアドリアーノ・ガリアーニCEOに向かい、強烈なブーイングを浴びている。ミラン専門のニュースサイト「milannews.it」が伝えている。
このゲームはミランが後半7分にFWカルロス・バッカのゴールで先制した。しかし5分後、相手に与えたPKをFWルカ・トーニに決められてリードを失った。そのプレーでMFナイジェル・デヨングも退場処分になる苦境に陥った。
その時点で、ミラニスタの怒りは極限状態に。ゴール裏を中心としたサポーターたちからは「我々のミランからガリアーニを追い出せ!」というチャントが大合唱された。さらに「ガリアーニ出て行け!」というシュプレヒ・コールも巻き起こるなど、騒然となった。
クラブのOBでレジェンドであるパオロ・マルディーニ氏などから批判を受けている渦中にあるガリアーニ氏だが、ここ数年の低迷の原因をチーム編成と移籍市場での強化策に求める声はサポーターの間でも根強い。試合後のサンシーロスタジアムには罵声、怒号、指笛とブーイングが入り混じった緊張状態になっていた。
経営危機から2012年夏にFWズラタン・イブラヒモビッチやDFチアゴ・シウバといった高額移籍金が見込める主力選手たちを売却し、本田ら契約満了となった移籍金ゼロの選手を主に獲得する“訳あり補強路線”をスタート。今夏は135億円とも言われる強化費をつぎ込んだが、新加入の選手は思ったように期待に応えていない。そうした状況の中、ガリアーニ氏に対する風当たりは激しさを増している。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images