レアルのベニテス監督が疑惑のベンゼマを再び擁護 「我々は彼をサポートする」
ひのき舞台から遠ざかったストライカー
レアル・マドリードのラファエル・ベニテス監督はフランス代表MFへの恐喝容疑で代表活動停止処分を受けたFWカリム・ベンゼマをあらためて擁護している。スペイン地元紙「スポルト」が報じている。
敵地ビジャレアルとの記者会見に出席したベニテス監督は、チームで好調を維持するポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドとベンゼマについて質問を受けると、こう語った。
「彼らは違った選手だ。どちらも本当に重要な選手だ。多くのゴールを決めている。カリムはそこまで成績を残していないが、彼はもっと野心を持つべきだと主張している。双方には自信が必要で、自信を植え付けたい」
ベンゼマはリヨンMFマテュー・ヴァルブエナのセックステープを巡る恐喝問題に関与した疑いで逮捕、起訴された。事件が解決するまでフランス代表から追放すると発表されている。
そのベンゼマはフランステレビ局のインタビューに対し、事件への関与を認めているものの、「善意による仲介」であったと主張した。「フランスはヴァルブエナと僕たち二人を必要とする」と、被害者となった同僚MFと共に、2016年にフランスで開催される欧州選手権への出場を熱望していた。その一方で、現在フランスの警察当局は捜査を進めている。有罪となれば懲役5年の実刑となる一方、フランスのマニュエル・ヴァルス首相は永久追放を求められるなどベンゼマには逆風が吹き荒れていた。
今回のフランスサッカー協会の決定で、ベンゼマの欧州選手権参戦は事実上不可能となった。ベニテス監督は「カリムのことは心配している。この問題に関して、クラブは声明文を発表している。我々は彼をサポートする。素晴らしい人間だ。彼から期待することはゴールを量産することだ」と語っている。
クラブは出場資格のない選手を国王杯32強で起用する凡ミスを犯し、大会失格処分が下るなど苦しんでいる。自らの疑惑でひのき舞台から遠ざかることになったストライカーの人格を評価することで、指揮官は擁護の手を差し伸べていた。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images